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LCRQと-3dB帯域幅

Hal.T 2004/10/12-15

Index

概説

 LCRの並列回路のQと-3dB帯域幅Bの関係を求めてみよう。
 一般的に W0 を共振周波数とすると Q≒W0/B の関係になることが知識としては知られている。数式的にこれを求めるのは結構難しく闇雲につっつきまわしてもうまくいかない、数学的な知識以外に求めたい関係を抽出する戦略が必要なのだ。

並列共振の話

電流源の採用

 さて、我々はこのLCR3素子を並列に接続した回路を「測定」して「観測」する。実験的にはたくさんのパラメータがあるが、思考実験としては電流源(IN)で、この並列共振回路に外部から角周波数Wで1アンペアの電流を流すことにする。
 ところで周波数は普通(f)と書く。しかし f を使うと π が数式に出てきて面倒なので ω と書くと π が見えなくなって都合がいい。 ω が見えない人もいるだろう事でWと書いている。 W=2πf であって角周波数と言うものだ。f は周波数のことである。このように書けば数式のあっちこっちに(2π)が含まれない。
 このようにするとLCRの並列回路のインピーダンスをZといて、両端に現れる電圧を測定すると V=Z・I 
Iの大きさは1なので V=Z とみなせる。なぜ Z を抵抗値と言わずにインピーダンスと言うのか? 実数で表現できる抵抗値とは違う複素数で表現されるかなのだ。

共振周波数  W0

 DERIVE(SEG 日本語版DERIVEのHP)で計算しています。

計算手順(上の番号に対応) 図1
  1. コイルのインピーダンス、複素表示で +i の側になります
  2. コンデンサのインピーダンス、複素表示で -i の側になります
  3. 並列計算の定義式
  4. LCR3つを並列にしている
  5. 定電流源として1A、周波数wとしてドライブし、オシロスコープなどで絶対値を観測
  6. 観測値のピークを求めるためにwで微分
  7. w=0の場所はどこかいな?
  8. w=0の場所は 1/(√LC)、-1/(√LC)、etc、そして±∞の周波数で平坦になる
ってなわけですが、Cは正値、wが負やw=±∞は関係ないので
w=1/(√LC) これを共振周波数と言い ω0 と書きますから W0 とします。

W0 =1/(√LC)

Rは出てきませんね、R=0でさえなければ関係無いようです。仮に L=C=1 R=100と してグラフを書くと

W0 =1/(√LC) より W0 =1 となる見慣れた共振図形が書けます。ちなみにピーク値は100になります。
定性的にはLCが完全に共振して、Rの100だけが見えていると考えてください。


図2
X軸は W 、Y軸 Z(インピーダンス)に 1A の交流(角周波数 W)を流したときに観測できる電圧の絶対値。L=C=1 R=100なので計算すると W0=1 、Zc=1。そこで Q=Rc/Zc で代表させていいとすると、これが Q=100 で観測できる共振特性となります。

Qとは何か?

 よく回路や素子のQと言ったり、Qが高いほうがいいなどとも言います。QはQualityのQから来ているようですが、よく知りません。また、Qはいくつもの使い方や表現法があり一筋縄ではなく、一般的に大きいのがいいと言うものではないのです。

素子のQ

LCRの事を受動素子と言います。与える電圧や電流によって素子固有の値が変化しないので線形素子ともいいます。トランジスタやダイオードは能動素子と言います。また、RについてQは定義されません。

CのQcは 並列抵抗分をRcとすると
Qc= Rc/Zc となります
理想コンデンサのRcは無限に大きくQcも無限ですが、実世界のコンデンサでは無限にはなりません。

LのQLは 直列抵抗分をRLとすると
QL=ZL/RL です。
理想コイルのRcは零なのでQLは無限ですが、実世界のコイルで導体抵抗があるので無限ではない。

共振回路として考察するときには、どちらか片方に代表してもかまわないのです。これが同じ(等価)であることは別途に証明します。

共振回路のQと帯域幅

 Qは回路動作にかなりの影響があり、たとえば帯域幅がQに関係していることはよく知られています。さて、W0 が共振周波数だとしてそこから-3dB下がった所が2ヶ所あり、その幅を3dB帯域幅 儻 と言いましょう。この W0 と 儻 と Q の間にどんな関係があるかを調べます。
 これも数式をひねくり回すだけでは解決しません。(この項を書くに当たって私もいきあたりばったりかなりやって失敗したんです)。そこで、何をどのように求めたいのかよく整理してみます。
と言うことなので、 W0 / 儻 ≒ Q になるのはどんな条件かを調べます。
そのために上の式が成り立てば ( W0 / 儻 )× Q が≒1になるわけですから 
( W0 / 儻 )× Q を K(Q) として、K(Q) の Qに対する変化を見ればどんな Q で関係が成り立つかがわかります。

ところで-3dBにどんな意味があるのでしょう? それは -3dB は電力が半分になるところ、電圧や電流では 1/√2 ≒0.707 の場所です。 -3dBを正確に計算すれば 10^(-3/10) =0.5012...になるんですが、【電力で半分】のほうが先の理由です。


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