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ひとつ前へ 数理設計研究所TOP mad@mail.wind.ne.jp 電波伝搬 富士山から八丈島
実験 2009/11/01- 02 記載 2009/11/09 - 2009/11/23 WWW2非公開レポート 矢澤 |
Index | |
伝搬実験の目的と手法電波伝搬の実験は通信回線の安定設計のためにする。アマチュア無線的に届くか届かないかといった距離レコードを作る実験とは大幅に異なるスタンスが必要だ。ただし距離レコードを作ること自体を否定するものではなく、性格が違うことを強調しているのだと心得て欲しい。回線設計は余裕度がどれぐらいあるかを決定することだ。一組の送受信機と環境があるとして、通信回線の余裕度が少なければアンテナを工夫したり送信電力を増加させて伝送減衰量の変化に対応する。そのために、送受信とも1/2λ、利得0dBDのアンテナで実施した。 余裕をどれぐらい取ればよいかは、経験的なものもあるが通信特性に応じて決めなければならない。特に新規な通信法では経路の通信特性の安定性を算定するのが困難なので闇雲に実験するのではなく、諸要素(周囲雑音、対流圏擾乱、電離層擾乱、太陽風)ごとに区分けした運用実験が必要となるだろう。そのためにも実験を通じて回線設計の基礎を固めておく必要があり、たんに長距離の伝送ができたと喜んでいるべきではない。
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通信回線の検討のためには
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実験に使用した送信機の送信電力を MAD-SSG ⇒ TX(FT817FT857) ⇒ダミーロード型のアッテネータ ⇒ MS2626A(スペアナ)によって検定した。その結果、おおむね1〜2dBの誤差範囲であるとしてよいと言えるが、正確には機種、周波数、電力設定毎に偏差を補正するといいだろう。
また、MAD-SSGの出力はほぼMIC入力程度に減衰させて送信機に入力しており、大きな歪を与えていないことは確認済みであるが、少し大きすぎる。規格設定値から-3dBほどの偏差になるように再設定したほうが良いと判断している。
ダミーロード型のアッテネータ、普通サーキュレータはマイクロ波の反射を抑制するために使われる。周波数特性が良くて大電力に耐えられ、モニタ端子も付属しているので高電力測定には最適である。ただしアッテネータとは異なりモニタ端子への減推量には周波数特性があるので検定を必要とする。
HPA-3965 サーキュレータ用擬似負荷 製造番号 第3572 1986年3月製造 日本電気株式会社
マイクロ波サーキュレータ HPA-3965
入力からモニタ端子までの損失・周波数特性MHz dB 50 -50.5 145 -41.9 435 -28.8
使用した送信機の出力を実験室内で検定した。
FT817 表示 表示 MS2626A Dumy-ATT 補正値 補正値 偏差 MHz W dBm dBm dB dBm W dB 50 5.0 37.0 -15.0 -50.5 35.5 3.5 -1.5 2.5 34.0 -17.5 -50.5 33.0 2.0 -1.0 1.0 30.0 -21.5 -50.5 29.0 0.8 -1.0 0.5 27.0 -24.1 -50.5 26.4 0.4 -0.6 145 5.0 37.0 -4.6 -41.9 37.3 5.4 0.3 2.5 34.0 -7.6 -41.9 34.3 2.7 0.3 1.0 30.0 -11.6 -41.9 30.3 1.1 0.3 0.5 27.0 -14.1 -41.9 27.8 0.6 0.8 435 5.0 37.0 8.8 -28.8 37.6 5.8 0.6 2.5 34.0 6.0 -28.8 34.8 3.0 0.8 1.0 30.0 2.0 -28.8 30.8 1.2 0.8 0.5 27.0 -1.5 -28.8 27.3 0.5 0.3
FT857 表示 表示 MS2626A Dumy-ATT 補正値 補正値 偏差 MHz W dBm dBm dB dBm W dB 50 20.0 43.0 -8.5 -50.5 42.0 15.8 -1.0 10.0 40.0 -12.2 -50.5 38.3 6.8 -1.7 5.0 37.0 -15.0 -50.5 35.5 3.5 -1.5 145 20.0 43.0 1.2 -41.9 43.1 20.4 0.1 10.0 40.0 -2.5 -41.9 39.4 8.7 -0.6 5.0 37.0 -5.5 -41.9 36.4 4.4 -0.6 435 20.0 43.0 15.8 -28.8 44.6 28.8 1.6 10.0 40.0 11.3 -28.8 40.1 10.2 0.1 5.0 37.0 7.7 -28.8 36.5 4.5 -0.5 2.0 33.0 4.3 -28.8 33.1 2.0 0.1
各地の実験をシミュレータ計算と比較をして、シミュレータの妥当性と電波伝搬の評価をした。八丈島側は北端にある出鼻付近。島を周回する道路上で実験した。
- Garmin_HCX_CX.gpx へのリンク フェリーの往路・復路で2つのGPS機から合成した座標 カシミール版
- 読み込み カシミール → ファイル → GPS各種ファイルを読む
- 時間表現 カシミール → 編集 → GPSデータ編集 → 設定 → ローカル時刻を使用のチェックをはずす
- 上記カシミール用と同じもの 20091030fuji8jyou.GDB 20091030fuji8jyou.trk へのリンク
- 受信データ、GPSなど全てのxls記述 20091101_data.xls へのリンク
富士山新五合目駐車場(2358m) ⇔ 八丈島の出鼻までのフェリー(海面上15m)航路
陸上の高度が取れるところから海面上10mまで、シミュレータの海面伝搬計算と比較するための試験をした。主な伝搬経路は伊豆半島を通過するにしても八丈近辺では海面と言える。ただし、富士山新五合目駐車場から八丈の中間点までの海面は天城山で隠れてはいるが、いずれにしろ大部分のエネルギーは中間点近傍上空からの回折による伝搬なので天城による海面側(伝搬路下部)の遮蔽は問題無いとする。
| 地名 | @GPS | GSI | 詳細 | |||
| N | E | 標高 | 標高 | |||
| 富士山新五合目 駐車場 DIAMOND AZ-510 |
35' 20.164 | 138' 43.992 | 2358 | 2352 | ||
| 35 20 9.84 | 138 43 59.52 | |||||
| サルビア丸 後部甲板の屋上手すりにアンテナを設置 およそのアンテナ高さ15m (船巾15mと比較) DIAMOND AZ-510 |
15 | |||||
船側アンテナ 430/140共用のモービルアンテナ(DIAMOND AZ-510 DUALBAND VHF/UHF MOBILE ANTENNA 2.15dBi) ・・・ 2.15dBiと書いてあるのはたいていインチキ、そんな精度で測れりゃしない。ここではダイポール相当としておく。
受信SNR |
1Wで200kmまで実験して、その後は2.5Wにしている。 途中で、伝送が確実に成功するように電力を増やしているので限界距離が不明瞭になった。送信1W、受信限界を-125dBmに設定。この実験と呉実験の受信限界の検出実験とは明瞭に差がある。 200kmで17.5dBの余裕があるし、受信SNRが0dB近傍を下回ったことからみて、時々受信不能になりつつあるのかもしれないが、SNRの観察からはこのまま八丈まで到達できたと思える。(受信SNRは単純に外部雑音と信号の比ではなく、スペクトラム拡散特有の同期誤差やアナログ・デジタル雑音を含む。) したがって富士新5合目駐車場から八条航路は1Wの-10dBを換算して→0.1W+ホイップが通信限界と言えるだろう。双方で5dBの3素子八木を使えば10mWが最低電力となり、それ以上の電力は余裕となる。 ★実験評:変数は距離であるのに途中で完全に受信できなくなるまで実施せずに出力を変えているので、限界距離が不明確になってしまった。 |
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| 地名 | @GPS | GSI | 詳細 | |||
| N | E | 標高 | 標高 | |||
| 富士山新五合目 駐車場 DIAMOND AZ-510 |
35' 20.164 | 138' 43.992 | 2358 | 2352 | ||
| 35 20 9.84 | 138 43 59.52 | |||||
| 八丈島出鼻 地図上の出鼻 より西に200m DIAMOND AZ-510 |
33' 09.295 | 139' 44.972 | 88.1 | 94 | ||
| 33 09 17.7 | 139 44 58.32 | |||||
| 富士から0.5Wのときに受信SNRが0dB付近なので余裕は10dB程度と思われる。 シミュレーション限界を-125dBmにした時の電力余裕は0.5Wのときに11.7dBでほぼあっている。 |
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| 地名 | @GPS | GSI | 詳細 | |||
| N | E | 標高 | 標高 | |||
| 八丈島出鼻 地図上の出鼻 より西に200m DIAMOND AZ-510 |
33' 09.295 | 139' 44.972 | 88.1 | 94 | ||
| 33 09 17.7 | 139 44 58.32 | |||||
| 焼津市高草山 東側中腹道路 DIAMOND AZ-510 |
34' 53.960 | 138' 19.282 | 290 | 288 | ||
| 34 53 57.6 | 138 19 16.92 | |||||
| 高草山(300m)から5Wでは苦しく、まれに受信できるだけだった。 確かにシミュレーションで受信限界をー125dBmに設定したら余裕は-7dBになった。 八丈では-133dBmほどの受信限界になるらしい。 20Wに電力を増やしたら+6dBでほぼ安定な通信ができた。 双方ともに3素子八木を使えば+10dBの余裕が得られ2Wで安定通信ができるだろう。 |
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