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電波伝搬 呉の休山(やすみやま)
 アマチュア無線免許による実験
  研究・設計 数理設計研究所 Hal.T
  • 矢澤正人 JP1COK 送信機免許保持、試作と実験主任
  • 玉置晴朗 JA1QPY 現場補助、シミュレーションと文献
実験 2009/05/29 - 30
記載 2009/06/02 - 2009/09/806
★1 2012/04/07 修正を追記
Index

概要

 広島県の呉市、休山山頂、周波数145.790MHz、出力3uW(-25dBm)、垂直ダイポール、見晴台の手すりに縛り付けて送信。江田島を含む周辺の島の海岸および阿賀から松山までのフェリーにて海上伝搬の実験と電波伝搬シミュレータによる評価をした。

全般的なパラメータ

  • 実験送信機
    • 出力 端子にて3uW(-25dBm) → 垂直ダイポール
    • 周波数 145.790MHz(全電波形式のバンド) JP1COK免許
    • 電源 006P 4並列で数日間の運用時間を持たせた
    • ケース 塩ビ樹脂 φ50mm 長さ2mの塩ビパイプに内装
  • 送信地
    • 広島県呉市にある休山展望台、GPS Garmin Gpsmap60cs によれば N43 13 38.09  E132 34 34.57 ANT標高=501m
 周囲環境からの雑音にたいして-25dBを超えていれば受信できることはわかっているが、平坦な海上でどのようになるかは未知であった。
★1 SSB帯域にて、SNR=-10dBのときに通信確率50% であることが他の実験で判明している。
  • Radio Mobileの計算で指定する限界の受信強度は以下のとおり
  • 江田島 ー130dBmを指定すると可能領域になる
  • 松山までのフェリー ー125dBmを指示すると可能領域になる
    室内感度ではー140dBmであるが現実は厳しい。フェリーが発する雑音評価をしていないのではっきりしないが、江田島実験と比較すると5dBぐらいのSNR悪化を推定できる。
    フェリー周辺雑音は-100dBm(7dBu=2μV)程度だと推定できる。
  • 総合評価 海上でも従来どおりの長距離通信性能がある。実地の受信性能は周囲雑音との比によるので、受信機に雑音評価機能を実装すべきだと思われる。
  • 参考

受信記録と評価

呉の対岸にある江田島までの海上伝搬

etajima.png 呉の休山の山頂に送信器を置いて自動車で音戸大橋を渡り倉橋島、早瀬大橋を渡って江田島に移動して江田島の東海岸で受信した。
 時刻表記してあるのが受信できた地点である。最遠地点は8.3km。
etajima1.pngシミュレータ図 -130dBmの指定
etajima2.png
  • 左下端の最遠地点での受信強度は-127.7dBm、感度がー130dBmだとすると余裕度は+2.3dB
  • 距離は8.3km
 江田島の海岸線付近で電界強度が一段と弱い。これは標高が低い最も遠い地点だからだろう。島の内陸側に入れば標高が高くなるので山頂までは十分な受信強度があるように見える。

呉の阿賀港から松山までの海上伝搬

aga2matuyama.png 呉の休山の山頂に送信器を置いて阿賀・松山フェリーで海上を移動した。
 休山から3.8〜4.6kmの間で受信できない場所があり、これは何事かと思ったが、ハイトパターンによる電界強度が弱いドーナツ状の地帯であることがわかった。右図からもその様子がわかる。
aga2matuyama1.png左図と同じ領域のシミュレーションで最低受信電力が-125dBmの領域
  • 右下端のひとつ上で確実に受信できる最遠地点(113716)での受信余裕度は+3dBになっており、安定通信距離は13.07km
  • 右下端でかろうじて受信できた最遠地点(114336)での受信余裕度は+0.9dBになっており、限界距離は15.24≒15kmになる。

実験の記録

2009/05/29 休山に送信機設置

DSC01403.JPG 砂防学会が終わり、地図上でめぼしをつけておいた呉の三峰山に登り、見通しを調査。雑木が大きく見通しも悪い。自動車道から30mほど高いだけだが二度と登ってくる気がしないほど疲れたのでここに設置することはあきらめた。

IMG_6717.JPG 休山の山頂(497m)まで自動車で行ける。写真に見えるタワーの向こうに大きな展望台があり、その手すりに送信機を縛り付けることにした。本当はそこにいて見張りをおけばトラブルを避けられるのだろうが、2日だけの設置だから許してもらおう。

DSC01406.JPG IMG_6726.JPG 

送信機にアンテナと電池をつけて塩ビパイプの中に組み立てる。アルミケースが送信機。そのほかに垂直アンテナと006P電池が4パラ。そして1mに切断してある塩ビパイプだ。
IMG_6732.JPG 1m塩ビパイプの中に内装し、さらに1mの塩ビパイプをその下にコネクタで接続、両端に蓋をつけて完成。
IMG_6739.JPG 一応2セット用意した。いたずらされて実験が無効になるのを防ぐためだ。

IMG_6744.JPG これが展望台。

IMG_6755.JPG IMG_6753.JPG
設置完了

IMG_6756.JPG なかなか景色が良い。写真に見える島は音戸大橋を渡った倉橋島。

2009/05/29 江田島の海岸

YasumiYama.jpg

江田島から呉の休山を見たパノラマ
IMG_6775.JPG 音戸大橋を渡って倉橋島、瀬戸大橋を渡って江田島海岸で観測する。ほとんどは自動車で走りながら受信するが。時折は風景の良いところで小休止。

IMG_6777.JPG 群馬から出発して5日目。少々くたびれ気味の私。
DSC01411.JPG DSC01413.JPG
 江田島の鹿川港にある「民宿ねんごろなじま」で、しょうしょう豪勢に宿泊。アコウの造りがうまかった。1万円@人。
DSC01416.JPG 食った喰った、矢澤君。

2009/05/30 松山までフェリー往復

DSC01429.JPG 阿賀のフェリーターミナルから阿賀⇔松山のフェリーで松山までの海上を往復する。

DSC01448.JPG アンテナはモービル用1/2λホイップを磁石基台で最上部のデッキにあるクレーンの上に設置した。アンテナの高さは10mと推定。
 クレーン周囲の囲いの中に受信機や受信解読用のパソコンを置いて2時間の船旅。
IMG_6818.JPG

DSC01479.JPG 呉ははるかにかすんで見えなくなるが15km先まで受信できた。

MOV01487.MPG MOVIE
 松山に到着。
DSC01489.JPG 松山のフェリーターミナルに降りてみた。10分ほどで出航なので、3分ぐらい松山の土地を踏んだだけで再乗船。とんぼがえりだ、もったいない。

DSC01501.JPG 帰りは八木アンテナを使ってみた。しかし、ホイップに比べて大差なし。船の前のほうを向いているので、船自体の雑音を受けているのか、かえって悪い。

MOV01509.MPG MOVIE
 呉の阿賀に戻る途中。

MOV01516.MPG MOVIE
 呉の阿賀に戻る途中。海面から乗船口のゲートまで2mぐらいかな。外洋ではなく瀬戸内だから大きな波も無いのだろう。

2009/05/30 休山の送信機撤去

DSC01536.JPG 呉の休山に戻り、送信機を撤去。いたずらされずに良かった。

DSC01557.JPG 送信システムを塩ビから取り出し、電圧を測定。最初に測定した無負荷時の電圧9.64Vが8.77Vまで低下していた。
DSC01561.JPG 自動車においてあった無線機の設定周波数だ。145.79MHz USBを受信するためには1.3kHzほど下に調整する。

 以後、福山市に宿泊し阿伏兎観音にお参りして帰宅。福山市を12:00に出発して群馬に23:45に到着。ほぼ12時間かかった、大阪近郊を通るので土曜日であったが2100円の高速料金。

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