GIDトップページ 数理設計研究所 野外用計測システム GID-FL

野外計測ケース GID-Shell
耐衝撃性能実験

最終更新日 2002/2/2
研究・設計
数理設計研究所 矢澤正人
yazawa@mail.wind.ne.jp
概要
  • GID-FLのケース、GID-Shellへの落石を想定した耐衝撃性能実験をおこない、実用的な耐衝撃性能を持つことを確認しました。
  • 山地河川・渓流での長期間測定を実用化するためには、ある程度の規模の落石に耐えるケースおよび設置方法が必須となります。
  • GID-FLケースは、過去のフィールド実験で使用していケースがあっけなく破損してしまった反省から、高い耐久性を持つケースを実現するべく開発したものです。

実験目的

GID-Shellが、どれくらいの落石に耐え、またはどれぐらいの落石で破損するかを確認する。

結果

  • 1kg以内の落石では、複数回命中しても致命的な破損・変形は発生しない。
  • 5〜7kgの落石では、数回〜10回程度の命中では金具の変形は発生するもののケース破損に至る心配は無いと思われる。
  • 実際の現場では、ケースや金具の強度よりもむしろ取りつける岩盤やアンカーボルトのサイズ・素材選定のほうが重要になると思われる。
実験日時と場所
  • 2002/2/2 11:30〜12:00
実験写真

落下距離はケース上まで4m

斜面での落石を想定し、30度傾けて設置した。

実験終了後のケース取り付け金具。
バンド、横板はかなりひしゃげているが、金具本体には歪みは見られない。
回収するにあたってボルトが緩みにくいようなことは無かった。

試験終了後。擦り傷状の打痕があった個所をマーク。
落石試験の回数よりも打痕のほうが多いのは、1回の落石で2回ぶつかることがあったため。

実験後のケース本体。
表面に擦り傷のような跡が残ったが、構造的な破損は無い。

7回目の落石試験後。
バンドのボルト取りつけ部が歪み、横板がコンクリート面から浮いてしまっている。
実験データ

実験手法

  • 橋脚にアンカーボルト3本でGID-Shellおよび取付け金具を30°傾けて設置し、4m上方から石を自由落下させてぶつけ、破損の具合を確認する。
  • 石は、0.5〜10kg程度のものを2〜30個川原で現地調達し、重量の軽い石から順にぶつける。石の重量はばねばかりで落石時に計測する。

実験結果

石の重さ 当たった場所
1回目 0.5〜1kg ケース中央部
ケース中央部
ケースに当たらなかった
ケース中央部
ケースフタ部
7kg ケースフタ部
5kg ケース中央部
7kg ケース下部
  • 0.5〜1kgの実験では、命中時に金具のバンドとケースが振動したものの、ケース本体に擦り傷状の痕跡を残すだけで本体、金具の変形や破損はみられなかった。
  • 6回目、7kgの石が命中すると、バンド、横板の変形が発生した。
  • 7回目、5kgの石の命中でさらにバンドと横板が変形。しかし、依然ケースの変形・破損は発生していない。
  • 8回目、7kgの石の命中で、ケース本体が金具の下側押さえ金具から外れる寸前までバンドが変形。横板もさらに変形した。金具本体にも歪みが発生したように見えた。
  • 8回目の試験終了後、コンクリート壁面の破損が心配されたため、試験を中断した。
  • 研究室で持ち帰った金具本体をマイクロメーターで測定してみた結果、もともとの形状が若干歪んいるため、落石による歪みを数値として把握することができなかった。
  • 目視では金具上側のバンド取付け用ボルト穴近辺が、左側(実験時に下側になる方)にわずか(0.2mmくらい?)歪んでいるように見える。
  • 取り付け金具のボルト穴の拡大はなかった。