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アルカリ乾電池による
土石流警報機の動作持続時間
メーカー推奨の手法による計算
 

2001/10/1
研究・設計
数理設計研究所 矢澤正人
yazawa@mail.wind.ne.jp

概要
 GID-LOGシステムや土石流警報機では、標準的な電源として市販のアルカリ乾電池の使用を想定している。
 パナソニック アルカリ単2乾電池で土石流警報機を駆動したときに、電池を何本接続しておくとどれくらいの動作持続時間が得られるのかを計算した。
 当初、公開されているデータシートを基に試算をおこなったが、メーカーに問い合わせたところ動作持続時間の算出方法を教えてもらえたので、これを基に再計算をおこなった。

メーカー方式による動作持続時間算出

参考資料: メーカー回答(PDF 255KB)

結論

  1. 接続可能な電池の本数は6〜11本。
  2. 実消費電力は 0.350 m Ah
  3. 動作持続時間は、2.47年@20℃ 2.29年@0℃ 1.97年@-10℃
  4. 低温時でも動作電流の変化は考慮する必要は無い
  5. ただし、水位センサを単体の動作電流は未測定!)

考察に使用した電池

松下電池工業株式会社 LR14(G) Panasonic乾電池PDF(1.7M)
 なお、LR14(G)の有効使用推奨期限は製造から2年間。
 これを超えても使用できないわけではないが、データシートに記載されている規定の性能を満足できない。

土石流警報機の諸元

水位センサ動作時/警報出力時 5.15mA
水位センサ非動作時 0.11mA
OFF時間 4.75秒 ON時間 0.25秒  (5秒間中)
電源電圧 Max 18V  Min 5.75V

電流値 通電時間(1 時間あたりの秒数) 消費電力
(通電時間/3600×電流値)
5.15 mA 180 (=3600s ×0.25s/5s ) 0.245 mAH
0.11 mA 3420 (=3600s ×4.75s/5s ) 0.105 mAH
合計 0.350 m AH

電池の本数

 土石流警報機の終端電圧は5.75V、電池1本あたりの終止電圧は0.8〜0.9Vを期待できるので、
5.75V/0.9V = 6.38本
 電池を効率良く使うには、6本以上を直列に接続して使用する。

 LR14(G)の新品状態の開放電圧は実測で1.62V。
 土石流警報機の電源電圧は18V以下でなければいけない。
 18V/1.62V = 11.11本
 11本以上を直列に接続することはできない。

接続可能な電池の本数は6〜11本

電池の容量

10mA 定電流連続放電カーブ(20℃) (jpg 179KB)

 メーカーが提供している定電流連続放電カーブのデータとしては、10mAが最小のものなのでこれを基に計算をおこなう。
 電池の本数は少ないほど嬉しいので、使用する電池の本数は6本とする。
 装置の終端電圧は5.75Vなので、電池1本あたりの終止電圧は 5.75V÷6本 = 0.96V
 0.96V時の持続時間をグラフから読み取ると、760時間。
 760時間 × 10mA = 電池容量は 7600mAh

実消費電力の計算

センサとGID-ADCの電源のON/OFFデューティーは
OFF時間 4.75秒 ON時間 0.25秒  (5秒間中)

電流値 通電時間(1 時間あたりの秒数) 消費電力
(通電時間/3600×電流値)
5.15 mA 180 (=3600s ×0.25s/5s ) 0.245 mAh
0.11 mA 3420 (=3600s ×4.75s/5s ) 0.105 mAh
合計 0.350 m Ah

実消費電力は 0.350 m Ah

20℃における動作持続時間の算出

電池容量 7600mAh ÷ 実消費電力 0.350 m Ah ≒ 21714時間
≒ 904日 ≒ 2.47年

20℃における動作持続時間は 2.47年

0℃、-10℃における動作持続の推定

 低音時における定電流放電データは、メーカーは提供していない。
 39Ω定抵抗連続放電データでは、20 ℃で終止電圧0.9 までの持続時間を指数で100 とすると、0 ℃の持続時間は93 、-10 ℃の持続時間は80 であるとメーカーが言っているのでこれを信用する。

20℃における動作持続時間は 2.47年
2.47年 × 0℃時の係数 0.93 = 2.29年
2.47年 × -10℃時の係数 0.8 = 1.97年

0℃における動作持続時間は 2.29年
-10℃における動作持続時間は 1.97年

低温時の動作電流の変化

 21℃と-18℃時の消費電流を実測したところ、水位センサ非動作時の消費電流 0.11mA に対し、0.001mA程度の動作電流の変化しか認められなかった。
低温時でも動作電流の変化は考慮する必要は無い



GID-LOGの諸元

水位センサ動作時/警報出力時 5.15mA
水位センサ非動作時 0.27mA   

計測:5分間隔

電流値 通電時間(1 時間あたりの秒数) 消費電力
(通電時間/3600×電流値)
5.15 mA 24 (=3600s ×2s/300s ) 0.034 mAH
0.27 mA 3576 (=3600s ×298s/300s ) 0.268 mAH
合計 0.302 mAH

20 ℃での持続時間の算出
(電池6 本使用時)
7635 m AH ÷ 0.302m AH ≒25281 (時間)
≒ 1053(日) ≒2.88年

(電池8 本使用時)
8974 m AH ÷ 0.302m AH ≒ 29715 (時間)
≒ 1238 (日) ≒ 3.39年