超低電力シーケンス・ロガー GID-LOG GIDトップページ 数理設計研究所

電力制御回路の改良

2002/6/20
研究・設計
数理設計研究所 矢澤正人
yazawa@mail.wind.ne.jp

概要

2002/6/7

 GID-LOGは、GID-ADCやセンサの電力制御用にフォトカプラを使用しています。
 超低電力を狙ってフォトカプラ駆動用の電流制限抵抗を10kオームとしていましたが、フォトカプラが完全にONにならずGID-LOG以降の回路に十分な電流が流せない可能性がありました。
 電流制限抵抗を変更しフォトカプラの駆動電流を増やすことで、センサ回路などに供給可能な電力を向上しました。
 この改良に伴いGID-LOGの消費電流が若干増加しました。

フォトカプラのデータシート

TLP523-2 データシート(PDF 304K)

評価実験

回路図


フォトカプラTLP523-2は動作確認用LEDと同期しています。

LED電流の実測値

  • 5V20mAの追加センサを想定し、GID-ADCの+5V出力に220オームの負荷抵抗を接続
  • バッテリ 単1アルカリ×6 無負荷時電圧7.12V
R2 LED IF(mA) LED VF(V) +Vin +VOut VCE(V) IC(mA)
10k ●0.29 1.01 6.75 3.67 3.08 18
2.2k ★1.2 1.2 6.68 5.85 0.83 24.7
※10kオームの実験では、電流が不足し+VOut(=GID-ADCの入力電源電圧)の電圧が降下してしまっている。

改善方法

 コレクタ電流ICが十分な値になるよう、電流制限抵抗R2を変更します。

目標値の検討

 GID-ADC、湿度センサ、水位センサの動作電流は合計で約5mA。その他センサ増設を考慮し、IC>20mAを目標にしました。

R2抵抗値の検討

  • IC>20mAの実現にはIF>1mAが必要(データシートIC-IF特性図参照、以下同様)
  • IF=1mA時のVF=1.05V(IF-VF)
  • (5V - VF*2 )/ 1mA = 2.9kオーム
  • R2 < 2.9k が条件となるので、E6系列から2.2kを選択

TLP-523-2
IF 発光側 順電流
VF 発光側 順電圧
IC 受光側 コレクタ電流
VCE 受光側 コレクタ・エミッタ間電圧
VCE(sat) 受光側 コレクタ・エミッタ間飽和電圧
Ta 周囲温度

供給可能な電流の評価

 電流制限抵抗の変更(10k->2.2k)により、25mA負荷の駆動が可能でしたが、IC-Ta特性図によると、IC<13mA(-20〜60℃、IF=1mA、VCE=1.0V)と読み取れます。よって、供給可能な電流はIC=<13mAとします。
 なお、-20〜60℃の範囲で、は VCE(sat)<1.05V(VCE-Ta,TEST C)、許容コレクタ損失は PC>70mW/(PC-Ta) です。

消費電流の評価

 LOGモード、5分間隔計測時で比較してみると、5分間に2秒の点灯なので
  • LED ON時間デューティーは2:300
  • 待機時(LED OFF)の消費電流は約0.3mA、抵抗値を小さくしたための電流増加は
    上表★1.2 - 上表●0.29=約0.91mA
    (0.91mA*(2/300))/0.3mA = 2.02%
  • 10k から 2.2kへの交換による総合消費電流の増加は2.%。(5分間隔計測時)
 となり、電池寿命や全電流の誤差を考慮してみると誤差範囲内の電流増加と言えます。 

結論

  • TLP523-2の電流制限抵抗を2.2kオームに変更
  • GID-ADCとセンサ類に供給可能な電流は、13mA(min)、25mA(Typ)
  • 抵抗値変更による消費電流増加は2%(5分間隔計測時)