数理設計研究所 GIDトップページ GID-SSS地震計
2007年7月16日 新潟県中越沖地震
GID-SSS地震計による測定データ
数理設計研究所 矢澤正人 2007/7/19
更新 2007/7/19

概要

 2007年7月16日10時13分48秒、新潟県中越沖地震(本震)の地震動を、GID-SSS地震計で検出しました。
 測定地点は数理設計研究所本社(群馬県前橋市)2地点太田研究室(群馬県太田市)の合計3地点。
 測定ソフトはGID-SSS地震計専用のSindoPanelを使用しています。
測定地点 緯度 経度 最大計測震度 気象庁震度 トリガ条件 センサの北方向 コメント
前橋本部1F N36'21"54 E139'05"13 2.83 前橋市駒形町
震度3
計測震度 0.7 Y軸プラス 土中に埋設
前橋本部2F 3.26 Z軸マイナス 家屋外壁に取付
太田研究室 N36'21"6.5 E139'22"35.5 3.04 太田市西本町
震度4
計測震度 0.4 X軸プラス 屋内基礎にボルト締
京都城陽市平川 N34'51"45.9 E135'46"27.3 1.64 城陽市寺田
震度2
計測震度 0.5 Y軸プラス ユーザからの提供データ

参考: 防災科学技術研究所 K-NET
地震発生時刻 2007/07/16-10:13:00.00 震央北緯 37.50° 震央東経 138.60° 震源深さ 10km マグニチュード M6.6
観測点コード 観測点名 緯度
北緯
経度
東経
最大加速度
(gal)
計測震度 震央距離
GNM008 前橋 36.348 139.137 18.9 3.1 136km
GNM011 太田 36.291 139.361 46.4 3.5 150km

気象庁による地震のデータ
震源:新潟県上中越沖 (新潟の南西60km付近) 10:13頃  37.5゜N 138.6゜E M6.6(推定)

新潟県中越沖地震 情報リスト
数理設計3D事業部が作成した、レーザスキャナ運用の観点から有用と思われる情報を集めたリンク集

加速度

 
 太田研究室の3軸加速度波形を示す。
 教科書通り、P波は縦ゆれ、S波は横揺れの振幅が大きい。 
 GID-SSSの性能(分解能約1.2gal、ノイズ約±2.4gal)でも、この地震ではデータ処理無しで地震波形らしい波形を得ることができた。
 K-NET太田観測地点のデータと比較すると最大加速度が約半分、全体的にも波形の上下が潰れたように見える。GID-SSS/S23のカットオフ周波数23Hzに対してK-NETでは30〜100Hz(30Hzに設定されているようだ)であることが原因と考えられる。
 K-NET太田観測地点のデータでも10:13:47秒にP波が到達している。

3地点の合成加速度


 太田1地点、前橋2地点、計3地点の合成加速度を示す。前橋2Fのみ縦軸スケールが違うので注意。
 それぞれ、P波およびS波が明確に読み取ることができる。
 K-NET前橋観測点のデータではP波は10:13:47に到達しているが、前橋1F、2Fでは共に10:14:45にP波が到達しており、K-NET前橋観測点よりも約2秒早く地震を検出しているように見える。

計測震度


 計測震度の時系列表現を示す。計測震度は観測記録用ソフトSindoPanelにより、約0.5秒毎に算出している。
 計測震度の波形からは、P波とS波によるそれぞれの計測震度の上昇が明確に読み取れる。
 前橋へのP波到達から太田へのP波到達まで、およそ3秒かかっている。
 前橋・太田2地点ではP波とS波の間隔に違いが見られ、前橋のほうが1秒ほど間隔が狭い。原因として、震源までの距離の影響、地盤構造の影響、計測震度の計算アルゴリズムそのものの影響、などが考えられる。 
 太田観測点では、加速度波形で読み取ったP波到達時刻よりも約1秒遅れて計測震度の上昇が始まっているように見える。何を以ってP波到達とするかの定義もあいまいなままプロットから読み取った時刻を記しているが、今後これらも厳密にする必要がある。

群馬・京都の波形比較


 GID-SSS/S23ユーザである京都府城陽市の北澤氏より観測データを提供して頂きました。ありがとうございました。

 計測震度の立ち上がりの時刻から地震の到達時間を読み取ると、群馬県太田市から京都府城陽市まで1分35秒かけて地震動が進んだことがわかる。
 城陽市の波形は群馬で観測した波形とは大きく異なり、群馬ではP波とS波が容易に判別できる波形となっているが、城陽市の波形は似た形にはなっていない。
 P波が来なかったようにも見えるし、P波で最大震度となり、10:16:20にS波で僅かに震度が上昇したようにも読み取れる。
 計測震度波形を一見ただけではP波とS波を判別できない一例を得た。
測定地点 地震到達時刻 太田を基準とした
遅延時間(秒)
前橋本部1F 10:13:45 0
前橋本部2F 10:13:45 0
太田研究室 10:13:48 3
京都城陽市平川 10:15:20 95

加速度波形のフィルタリング処理

 観測された3軸加速度データに対し、加速度データ処理ソフト GidSSS_LPF.exeを用いて高周波成分を除いたデータを作成してプロットした。
 カットオフ周波数には2Hzと1Hzの2種類を用いた。0.5Hzのものもプロットしてみたが、波形は±1galの範囲に収まってしまい元波形の特徴は一見しただけでは見出せなかった。
 2Hzのものがおおむね気象庁提案のフィルタに近いもの、1Hzはそれよりもすこし狭い。いずれのプロットでも振幅が小さくなっているが、波形の特徴は相似している。
 同じ手法を用いた別の地震の評価によれば、2HzのLPFを用いたときに地震前のグランドノイズが±0.5gal程度になっており、今回も同様の結果となった。
 

測定データ

測定元データ(SindoPanelによる自動記録)