気圧計
気温、湿度、気圧、風速などの気象現象のうち、これからの天気の前兆をもっともよく表すのは、気圧の変化です。この意味から、日常生活において大気圧の測定は大変興味のあることです。
気圧測定中の小型パソコンとGUPPY&気圧計
1643年トリチエリ(イタリア)は水銀柱を用いて大気圧の存在を明らかにしました。1660年代には、ゲーリッケ(ドイツ)は気圧の減少が暴風の前兆になることに気づき、このことから後に気圧計が天気予報に使われるきっかけとなりました。
気圧は水平の単位面積の上方にある空気の重さに等しい。従って、上空に行くほどその上にある空気の量が減り、標高が高くなるほど気圧は小さくなります。おおよそ5km高くなるごとに気圧は1/2になります。地上で1000hP、5kmで500hP、10km上空では大体250hPといった具合です。
気圧の単位として、以前はミリバール(mb)が用いられていましたが、我が国では1992年
12月から国際単位系(SI単位系)であるへクトパスカル(hP)が用いられています。換算は1hP=1mbなので、換算は不要です。
気圧には、現地気圧と海面気圧の二とおりの表しかたがあります。現地気圧とは測定点の気圧をいいます。これに対して、海面気圧は平均海面から測定点までの大地を仮に空気に置き換えた場合に、海面で表すであろう気圧のことをいいます。天気図に現地気圧を用いたのでは、いつも山の上では低気圧になってしまい、各地の気圧を比較するのには適当ではありません。そのため、天気図には海面気圧が用いらています。
大気圧を測るには、アネロイド気圧計、水銀気圧計、円筒振動式気圧計、半導体圧力センサーの気圧計などがあります。
アネロイドとは水銀や液体を使わないという意味です。波打った薄い金属板で容器(空ごうという)を作り、中を真空にします。大気圧が変化すると、空ごうは膨らんだりへこんだりします。この変化を拡大して気圧を指示するものです。小形で運搬に便利で取り扱いが容易なことから、船舶 や航空機に用いられ、また一般用にも用いられます。しかし、金属の弾性を利用しているため、日数の経過とともに誤差を生じます。このため、定期的に検査をする必要があります。
精度が高く、標準の気圧計として用いられています。しかし、取り扱いが厄介です。気象台では フォルタン型水銀指示気圧計を用い、読み取り値に器差補正、温度補正、重力補正を行って、現地気圧を出していました。しかし、観測機器の進歩により1985年以降は順次円筒振動式気圧計に置き換えられています。
金属製の二重円筒の構造をしており、内筒と外筒の間は真空になっていて、内筒の上端は封じられ下端は大気に通じています。内筒は薄肉に作られ、振動の節には圧電素子(PZT)が4個取り付けられ、2個は駆動用で、他の2個は検出用です。内筒と外筒の間は真空になっているので内筒には大気圧に比例した大きな力が外筒の方向に加わります。そのため、気圧が高い方に変化すれば内筒はピーンと張り、気圧が下がれば緩みます。ピーンと張った弦の共振周波数が高いように、内筒の共振周波数は気圧が高ければ、高くなります。
温度が高くなると内筒は膨張して、共振周波数は低下します。内筒には温度計を付け、内筒の共振周波数に温度による変化分を補正します。これらはコンピュータによって行われます。
気圧は円筒の共振周波数の変化を電気的に検出するので、高感度であること、コンピュータを内蔵しているので、海面気圧の算出などが自動的に行われます。
半導体でできたピエゾ抵抗体に応力が加わると、ピエゾ抵抗効果によってピエゾ抵抗体の抵抗値は応力に比例して変わります。抵抗値変化に比例した電圧を得、この電圧で計器を振らせたり、あるいは数値に変換して、気圧を測ります。
半導体圧力センサーの気圧計は可動部や摩耗部がないため、振動の激しい場所に取り付けても支障がありません。従来のストレインゲージに比べて、感度、経年変化、ヒステリシス特性、直線性等の多くの点で優れています。電子回路による測定のために、コンピュータとの接続が可能となり、自動計測やデータの保存等が容易になります。
半導体は一般に温度によって特性が変化しやすい特徴があります。そのため温度補償回路を付加して,温度特性を改善する必要があります。
気圧センサーにはフィリップス社のJS−1−A−Bという半導体圧力センサーモジュールを使用しました。このセンサーモジュールは、ブリッジ回路で検出した気圧信号を増幅して外部に出しています。単にセンサーモジュールの信号出力端子をGUPPYーADCのアナログ入力端子に接続するだけで、気圧計のハードウェアが出来上がります。全体の構成が極めてシンプルとなります。また、出力信号の温度係数も極めて小さいことからこの製品を使用しました。
今回の気圧計は半導体圧力センサーによる気圧計です。以下、このセンサーを使用した気圧計につ いて、動作原理を説明します。
半導体は一般に温度に敏感です。温度の変化に応じて半導体の抵抗は変わります。半導体圧力センサの抵抗の温度係数は正で、応力感度は負の温度係数を持っています。センサーを駆動する方法を適切に選ぶことで、正と負の温度係数を相殺し温度特性を改善することができます。
図2に示すようにシリコン単結晶基板(ウェハ)の表面にICの製造技術でピエゾ抵抗Rbを配置します。リコンウェハは薄くダイヤフラムの働きをします。気圧Pによってダイヤフラムはたわみますが、ピエゾ抵抗はダイヤフラム上に置かれた位置によって、抵抗が増加するものと減少するものがあります。図3に示すように、これらの抵抗によってホイートストンブリッジを形成します。矢印が上に向いているのは気圧が上がったとき、抵抗が増加することを表しています。
ブリッジ回路を定電圧駆動した場合、ブリッジの出力電圧Voは
Vo=Vb G P (1)
Vb:印加電圧
P:圧力
G:ブリッジ抵抗の圧力感度
となります。ブリッジ印加電圧が一定のとき、出力は圧力感度Gの影響を受け、負の温度特性を持ちます。
定電流駆動の場合は
Vo=I・Rb・G・P
(2)
I:駆動電流
となります。このとき、抵抗Rbの温度係数と圧力感度Gの温度係数が打ち消しあいます。以上のことをグラフに表しますと、図4のようになります。
センサー出力の温度依存性を改善するため、半導体圧力センサの駆動には定電流駆動方式が用いられています。
今回製作する大気圧計はフィリップス社のJS−1−A−Bという半導体圧力センサーモジュールを利用しています。このモジュール全体の構成と仕様についてはデータシートを参照。
定電流でブリッジ回路を駆動します。その出力電圧を増幅したものをOut信号とし、また、フルスパンの気圧(1050hP)のとき基準電圧Vref(4000mV)を、外部に出しています。図5から、測定する気圧Pとセンサー回路の出力電圧Outの関係を求めれば、次式のようになります。
Out=(Vref-91)/(1050-800) * (P-800)+91
Vref:基準電圧 (1050 hPのとき)
よって P=800+[(1050-800)(Out-91)]/(Vref-91) (4)
センサーモジュールの出力をGUPPY−ADCをとおしてパソコンに読み込み、(4)式による演算を行えば大気圧が求められることになります。
センサーのデータシートにありますように出力電圧は基準の気圧に対し、ないがしかの誤差を伴います。より正確な気圧を求める場合には、変換式に補正項を加えることが必要です。補正項の求め方は、「気圧計の校正について」をご覧になってください。
出荷された製品は校正されておりますので、通常は校正の手続きは不要です。
大気圧センサーモジュールのほかに外部回路は不要なため、回路構成は非常にシンプルです。センサーモジュールの+5V、GNDをGUPPY−ADCの同名の端子へ、Outを0Ch,Vrefを1Chにそれぞれ接続します。
ノイズ対策のために、GUPPY−ADCの入力チャンネルとGNDの間に0.1μFのセラミックコンデンサを入れます。
2つの電解コンデンサはGUPPY−ADCの電源補償用です。これを省略しても一応の動作はしますが、センサーモジュールに供給する電圧が不安定になるため、正確な測定ができません。
GUPPY−ADCには8Chのアナログ入力ポートがありますが、センサーモジュールには2Chしか使用しません。そこで、残りの6Chのうちの1つに気圧センサ温度補正用にCMOS温度センサを接続することにします。
CMOS温度センサーはセイコーのS8100Bという製品で、Vdd、Vssをそれぞれ+5V,GNDに接続し、Voutを2Chに接続します。
全体の回路図は図7のようになります。

大気圧計制作例
1.5mのケーブルで、GUPPY−ADCと大気圧計をパソコンに接続し、PRESS.EXEを実行します。正常に動作していれば、1000hP程度の気圧が測定されるはずです。
1000hPからかけ離れた気圧が測定されたり、気圧が±10hP以上変動するなどの場合は、パソコンのハード、ソフト、GUPPY−ADCの配線チェック等を一つづつ確認し、確実に動作している部分をリストアップして、原因を特定していきます。
風や気圧の変動が少ない室内に大気圧計を置いて気圧を測ると、気圧の変動幅は0.1〜0.2hP程度になります。それ以上の気圧の変動が測定されるようであれば、気圧センサーに供給されている電源が不安定になっている可能性があります。電源電圧補償用のコンデンサ周辺の配線を確認してください。
次に、大気圧計をそっと床に置いて気圧を測定します。そして大気圧計を高く持ち上げると、0.2〜0.3hP程度気圧が下がります。たとえ室内のわずかな高低差でも、気圧が違うことが確認できます。
気圧計に直接風があたらないようにして、測定する必要があります。風を受けると、風圧ために測定値が高く出ます。
気圧計を校正するする方法には次の二つの方法が考えられます。
手元に水銀気圧計があれば、この水銀気圧計を標準計器として採用し、校正するのがよいでしょう。しかし、水銀気圧計は学校などの特殊なところでないと、具備していないのが一般的です。
大気圧は、地上近くでは1mあたり、0.1hP減少します。海面からの高さがわかるところに気圧計を置いて、測定することが必要です。測定地の正しい気圧を算出するには、気圧計を設置してある標高が分からなくてはなりません。気象台の測定気圧を用いて校正する方法を3つ上げますが、いずれの方法でも、測定地の標高が明らかである必要があります。
気象台は毎正時に気象データを測定しています。気圧を比較するには、気象台の測定時刻にあわせて測定を行なわければなりません。
@ 測定地の正確と推定される気圧(ここでは仮に推定気圧と名づけます)を次式から算出します。
Ps=Po-(Po-Pk)H/Hk (5)
Ps:推定気圧
P0:気象台の海面気圧
Pk:気象台の現地気圧
Hk:気象台の気圧測定の標高
H:測定点の標高
A 補正項を求める。
ア 精度が高い方法
測定時刻は毎正時に設定して、 数日間連続して測定を続けます。気圧の測定と同時に気圧を測定している時刻の気温tも同時に測定します。気圧計のプログラムは気温も同時に測定するようになっています。気圧の測定誤差凾oiを次式から求めます。
ΔPi=P1i-Ps (6)
P1i:測定地の測定気圧
Ps:測定地の推定気圧
気温が変化しても誤差の変化は大幅に変化することはありませんので、誤差と気温の関係は一次式で表されます。この関係式を次式のように仮定します。
ΔP=a*t+b (7)
a、 b:定数
各々の測定データについて( 凾oi −凾o) の二乗の和を求め、この和が最小になるようにa、bを決めます。a、bの値を決定方法には最小二乗法という手法があります。最小二乗法は表計算ソフトにありますので、これらのソフトを利用すれば、簡単に誤差の式が求められます。
(4)式から(7)式を差し引いた次式で気圧を求めれば、センサー回路の温度補正まで行った校正が行われることになります。
P=800+[(1050-800)(Out-91)]/(Vref-91) - (a*t+b) (8)
一般の方が気圧センサーのずれを修正する場合は、気圧計の温度係数を求めるのはかなりの負担と思われます。そのような場合、以下の方法が考えられます。
正時の時刻で6時間おきに4回連続して気圧を測定します。測定が終了してから気象台に連絡して、測定時刻の時の現地気圧と海面気圧、及び気圧計が設置してある面の標高をデータを入手します。
気圧については4回の平均気圧をとり、(5)式から測定地の平均推定気圧を求めます。そして、測定値と比較し測定値の方が大きければ、この分測定値から差し引くようパソコンに指示します。
この場合は温度補正をしませんので、測定温度が年間の平均気温に近い頃に行えれば理想的です。気圧を求める演算式は次式のようになります。
P=800+[(1050-800)(Out-91)]/(Vref-91) - b (8−1)
b:測定気圧−推定気圧
この場合は、両方の気象条件は同じと考えられます。したがって、測定時刻を同時刻にすれば1回の測定データの比較だけで、校正できます。測定するときの気温についての注意、及び計算式は前項に準じます。
センサーは、正確な入力に対して正しい量を発生生成するとは限りません。なにがしかの誤差を伴います。そのため、測定器は正確な量を採用して校正する必要があります。
気圧計を校正する場合、水銀気圧計を標準計器として採用するのが妥当な方法です。しかし、水銀気圧計は学校などのごく限られたところにしか整備されていません。水銀気圧計以外で、一般人が気圧計を校正する方法はないものか、考えました。気象台の発表する気圧データについてはどうだろうか。
気象台と近接したところでは気圧の変化は同時なので、この場合は気象台の気圧データをもとにして、気圧計を校正できそうです。気圧計を校正する所と気象台とが離れている場合はどうだろうか。
実験しようとする所と気象台とは、約30km離れています。距離が遠くなると気圧の変化に時間的なずれが生じたり、一定時間差で同じ気圧変化を示すとは限りません。気圧の移動がいつも同じ経路をたどるとは限りませんから。とにかく、このくらい離れた距離で地元の気象台のデータで気圧計の校正が可能か、実験してみることにしました。
前橋地方気象台に問い合わせましたところ、毎正時(1、2、・・・・時の時刻)に気象データを観測して、これらのデータは保存しており必要の向きには提供できるとのことでした。
校正する前の気圧計の測定データと基準の気圧との差の原因としては、一定量の偏差、気圧計の温度特性の影響、離れていることによる気圧傾度による差、その他局部的気象現象の影響があげられます。
気圧計を校正するには、一定量の偏差と気圧計の温度特性がを求められれば申し分ありません。
気象台と実験する所は約30km離れているため、測定誤差の中には一定の偏差と温度による影響以外のもろもろの誤差が混入していることが像想されます。いろいろの誤差が混入しているデータから一定量の偏差と気圧計の温度特性を求めるには、測定データを多く取って最小二乗法によって処理すれば、よさそうです。測定時の気温が大きく変化いることが望ましいことはいうまでもありません。また、測定データがおおいいことも必須条件です。そこで約1週間、正時ごとに気圧と気温を測定することにしました。実際に採取したデータは、平成9年1月30日13時から2月4日の17時までの125点でした。
グラフ1は前橋地方気象台の現地気圧と校正前の測定気圧の関係を表しています。二つのグラフはほとんど平行して変動しています。この事実は、前橋地方気象台の気圧データによって測定地の気圧を推定できることを示しています。気象台の海面気圧と現地気圧を使って、実験地の気圧を推定することにしました。
前項から、測定地の正しい気圧を算出することが明らかとなりました。
前橋地方気象台の気圧計は、標高120.1mのところに設置してあるとのことでした。当地の標高は前橋地方気象台国土地理院発行の地図から60mと読み取れます。この標高の範囲内では、標高が高くなるにつれ一定の割合で気圧が低下します。
したがって、測定地点の気圧は、気象台と実験点の標高、及び気象台の海面気圧と現地気圧を(5)式に代入して推定することにしました。(5)式を再掲しておきます。
Ps=Po-(Po-Pk)H/Hk (5)
Ps:推定気圧
Po:気象台の海面気圧
Pk:気象台の現地気圧
Hk:気象台の気圧測定の標高
H:測定点の標高
気圧の誤差は次式で求めます。
ΔPi=P1i-Psi (9)
P1i:実測値
PSi:測定地の推定気圧
グラフ2は測定地の正しいと推定される気圧と測定気圧との関係を表しています。両者の間には約8〜9hPの一定の差があることが読み取れます。一定の誤差は算出できそうです。
気圧計の温度特性を算定することは、気圧の誤差を温度の関数であらわすことに通じます。気圧の誤差と気温との関係が直感的に分かるように、散布図を描いてみることにしました。グラフ3が測定誤差と気温の散布図です。全体的に温度軸に平行して、測定データが散布しています。気圧計の温度特性が優れていることが分かります。
また、データのばらつきがまとまっており、気象台と実験地とはほぼ同じ気象条件にあったことが分かります。不連続線や台風が通過した場合には、集団からかけ離れたデータが生じることが想像されます。
あきらかに散布データの中心に1本の直線がとおっているようにみえます。この直線が誤差と温度との関係を表す式です。この直線の式を求めることにしました。
気圧偏差と温度の関係が次式のように温度の1次式で表されるとします。
ΔPt=at+b (10)
ばらつくデータに近似する式を求めるのには、最小二乗法が使われます。各測定データの組について(凾oiー凾o)の二乗の和を求め、この和がが最小になるように、a、bを決定する手法です。平たく言えば測定データにもっとも最も忠実な式を求めることといえます。bが測定値の推定気圧からのずれを、aは気圧計の温度係数を表します。このよにして手元の気圧計について求めた結果は
ΔP=-0.097t+8.93
データシートによれば、気圧センサの温度係数は、0.1hP(typ.0〜50℃)となっています。センサーの温度係数は仕様のとおり、大変小さいことがわかります。
温度補償まで行った気圧を求める演算式は
P=800+[(1050-800)(Ouy-91)]/(Vref-91)+0.097t-8.9
温度補償はしないで特定の温度で校正する場合は、たとえば25℃で校正するは、
P=-0.097*25+8.93=6.5
から、25℃においては正確な気圧より6.5hP大きいことになりますので、この分気圧の計算式である(4)式から差し引いてやればよいことになります。
気象台から約30km以内では、気象台の気圧データを使って気圧計を校正できることが分かりました。 気圧の測定と同時に気温も測定できる場合は、気温の高低に関わらずいつ気圧計を校正してもよいことはあきらかです。
しかし、温度補正しないで校正する場合は、測定時の温度においての校正ということになります。測定時の温度に近い気温のときの気圧は正確に測れますが、測定時の気温と大きく違うときの季節に測る気圧は誤差が大きくなる恐れがあります。従って、温度補正しない校正方法の場合、年間の平均気温の近辺で校正することが望ましいことになります。
山に登る範囲内では、気圧は高度が高くなるにつれ一定の割合で減少していきます。ソフトをちょっと変えるだけで、高度計に変更できます。
気圧は毎日4時と16時頃に極小を、10時と22時頃に極大となります。我が国のように中緯度の地域では頻繁に通過する高気圧、低気圧及び前線に掻き消されて、明瞭ではありませんが、時刻を合わせて毎日の平均を求めると、高気圧、低気圧及び前線の影響は打ち消されて、先ほどの極大、極小が明瞭に現れてきます。この原因は、海洋の潮汐に似た超長波の大気の波や太陽の引力と関係があると考えられています。
南アフリカ連邦のキンバレー鉱山はダイヤモンドの採掘で有名ですが、高濃度のメタンガスが出ます。そのため採掘区域ではガスを外部に導く排出口が設けられて、外部の放出口で燃やされています。高気圧の時には炎の高さは数10cmですが、低気圧の日には1mにもなります。
アメリカのイェローストーン国立公園には間欠泉があります。特にデージー群の間欠泉は気圧の変化に敏感です。ストームが近づいて気圧が下がると、30〜60mの高さにまで熱水を吹き上げるとのことです。
1 白木正則 、百万人の天気教室、成山堂、1993
2 熊沢源右衛門、天気図と気象、成山堂、1992
3 ジャポニカ百科事典、集英社、1968
4 理科年表、1997
5 渡邊清光、緒方俊雄 共著、わかる気象器械、定文堂、
6 フィリップス社技術資料