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三万円の冷凍冷蔵庫で作る
温度特性の試験装置

(C) 数理設計研究所 2000
 回路を作ったりセンサやICの温度特性を調べたいときがあります。簡単には急冷剤やヘアドライヤで試験できますが、本格的に傾向を知る必要が出てくると、どうしても恒温漕が必要なのではとあきらめてしまいます。
 数理設計研究所でも野外で使用する水位センサに使用する圧力センサや、各種のセンサ回路の温度試験の必要に迫られていたので、超低コストで十分実用になるものを組み上げてみました。

必要機材:
  • 三万円ぐらいで買える冷凍冷蔵庫
  • ヘアドライヤ
  • 空気をかき混ぜるファン
  • GID−ADCと4ダイオード温度センサ
 これだけで−20℃から50℃までの温度試験ができるので紹介します。一番高くつくのは研究室の場所代ではないかと思えます。

改造:
 冷凍室の扉に直径25ミリぐらいの穴をあけて適当なパイプを通し、その孔を通じて試験装置の電源や内部温度を測定するセンサを突っ込みます。
手法:
 始めは一定温度にできる恒温漕を作ろうと始めたのですが、温度試験のためにはその必要はまったくありません。
  • 冷凍庫に対象物とヘヤドライヤを入れてFANを回します
  • 室温で測定対象の電源を投入し、GID-ADCと温度センサでデータの記録を開始します。(測定中は内部でファンをまわします)
  • GID-ADCでは温度を測定しながら、必要な電圧を測定します
  • 冷蔵庫の電源を投入し−20℃になるまでガンガン冷やし、-20℃に到達したら30分ほど放置します。
  • その後、冷蔵庫の電源を引き抜き、室温になるまで冷蔵庫によりますが翌日まで放置します。ここまでが低温試験。
  • 次にそのまま冷凍庫の中のヘヤドライヤに電源を入れ50℃になるまで暖めます。50℃ぐらいでは断熱材などは損傷しません。
  • 50℃になったら5分ぐらいの間を置いて温度が安定するまで何度かヘヤドライヤで暖めなおします。
  • また室温になるまで放置します。
 これで、温度が急激に下がり、ゆっくりと温まる状態。急激に温度が上昇しゆっくりと室温になる状態が作られたことになり、データが記録されています。

解析:
 うまく測定されると記録されたデータは、急激な温度変動部とゆっくりした温度変動の全部があり、センサや電子回路が温度破壊していなければ一周しているはずです。表計算ソフトで観察してみればよくわかります。

〔実例)圧力センサの温度特性

 

1:25℃から-20℃まで急速に温度を下げ
2:-20℃から室温近くまで放置
3:室温から56℃まで急速に温度を上げ
4:高温から室温までゆっくりと温度を下げた

 急速に温度が変化しているときは内部でファンを回して空気をかき混ぜていても、センサ内部の温度が空気温度と一致していないのでずれがあります。
 ゆっくり温度が動いているときにはセンサの温度が空気温度とほぼ一致しているのです。


 青色の線が、上のグラフから推定した、このセンサの温度特性です
 0℃(1140mV)、50℃(1170mV)となりました。実用範囲0℃〜50℃の圧力センサで、1気圧測定では中心値から±1.3%となりました。