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 株式会社 数理設計研究所 
Spirit of MAD

 2005/01/25-2007/04/26
2008/04/03
Index

本部

 たくさんの人から、数理設計はどんな会社なの?と聞かれるので、数理設計を動かす精神と資源を図にしてみようと思いました。手に持つ技術と研究事業や仕事の関係を相関図にしてみようと思ったのです。ところが自分自身でも意外なことに図にすることが困難なことに気がつきました。相関図を提示するのは難しくはないと思っていたのですが、属性が思ったほどはっきりしない。描き始めてみるとロジック図のように平面には描けない、多次元図を平面にあらわそうとするのが無理だったのかもしれません。けっきょく、ある項目を別の属性で括ることができてこその相関図なので、項目そのものが属性になっているようなものではグループ分けすることすら困難だということになったのです。そこで、文章に書いてみることにしました。以下に示す内容だけではないのですが、思いの部分表現であることは事実です。

 まずもって、私が代表である限りは数理設計研究所は私の嗜好性で動きます、かっこよく言えば「数理設計を動かす精神」。これは私はもちろん、企業にとっては非常に大事なことなので特に書いておきます。なぜならば、私はそうでなくては何かの代表ということをしないからです。
 さて、数理設計の精神とは何でしょうか。
 おそらく、少年が望遠鏡や無線機で遠い世界を観察し、機械を通じて工学に親しむのを原型としているのでしょう。今でもLSI開発などにコミットするときには皆さんが思うような複雑さではなく、電子技術や内部構造の精妙さへの憧憬で得てきた感覚的かつ漠然としたアプローチが多いのです。大学で教えられるIC設計の様相(大規模な数値計算と高度なCADとプロセス技術)とは大幅に違うんです。この正式な工学教育と現実の落差はありとあらゆる工学設計の現場で見られることだと言われます。現実の装置は理論で作られるのではなく設計者の世界知識とインスピレーションで作られることを言っているだけです。

 さて、数理設計は僅かばかりの理論を背景にしつつも大半はインスピレーションで世界と接します。これが数理設計の名の由来です。数学と理学で設計をするわけではなく、数学と理学でインスピレーションを補佐するのがほんとのところ。この、インスピレーションが無ければ「無」です。

 では、インスピレーションは何を目標とするのか? 結局はそれ自体が快感だからです。問題を想像し、問題解決を創造する。動物はどうも遊びと切り離せないようですね。カラスだって遊びます。困難を作り出して乗り越える。社会的な存在である人間は行為が誰かの役に立てばさらに嬉しい。ま、そういうことです。これは冒険と困難を楽しむ心と同じですね。
 数理設計の最大の資源は困難課題を知っていることです。上にあるように困難があるからこその楽しみなのですが、具体的な困難課題を災害に即していえば
  1. 測定、基本物理量、振動、温度、など
  2. 長距離通信
  3. 情報分析、災害予測、地震、斜面、土石流
  4. 災害時の意思決定、そのほかの支援
 軍事的にいえば偵察、通信、分析、対処になります。これらすべてについて打開すべき項目を挙げることはできますが、やめておきます。
 また、別の側面で言えば、電子技術的にも同じような分類が可能で、同じ筋立てにすれば
  1. 測定、基本物理量、振動、温度、など
  2. 長距離通信
  3. 情報分析、信号処理、
  4. 意思決定、ネットワーク通信、データベース
 などと書けます。同じようなことを別の側面から見たものですが、電子技術者と防災技術者の両面を持つ者なら統合して捉えることができます。片方の技術者なら、片方がわからないかもしれませんね。そんなわけで、少年が持つ技術と興味、そして防災関係者の協力を得つつ、社会に役立てばいいなと思い、電子技術の素養と技術を役立てて生計を立て、ついでに生きる喜びを得ようってわけだと考えていただいていいのです。

 では、課題をどのように打開しようとしているのか、研究途上の資源を見てみましょう。
電子・通信・観測
  1. アナログ・デジタル回路の研究開発、設計、試作、実験
  2. スペクトラム拡散による超低電力の通信技術
  3. 大規模な地形や山を観測する地上型の3D測定技術およびデータ処理技術
 お題目として言えばこのような感じになります。数理設計は他企業や研究機関の提案によるプロジェクトにも参加していますが経営の基本は独自プランの実現です。

本部が抱えるものでは
  • 研究開発のためのWEBサービス
  • スペクトラム拡散による通信法
     センサで得た情報を数km伝送。乾電池のみで2年間動作する防災警報および環境測定をターゲットとしたテレメトリ装置のための通信法。国際特許出願をして日本国内特許は確定し、実証機の検討中
 WEBサービスについてはWEBスペースの提供以外にプロジェクト管理システムの提供もあります。プロジェクト管理はできあがった商品やサービスではなく、実は研究や開発と言う人間的行為がどのようなものかを知りたいがゆえに作ったものです。わかっているようでまったくわかっていない分野のひとつですね。

 かような、雰囲気で、研究員が成果を挙げた分だけは確実に見返りがあるような会社運営をしています。そのために個人事業としてそれぞれの会計を持ち、恣意的な運営ができないように必ず規定を公開しています。

GID事業部

 私の電子回路・機械・工学に対する興味は、20数年前のマイクロマウスとの出会いが始まりです。なんとかしてアレを自分で作りたい!動かしてみたい!と思いはしても、自律型ロボットの開発など小学生が手も足も出せる訳が無く、実現するまでに結局10年以上掛かりました。
 振り返れば、ここで得た経験が今に繋がり、基礎設計から開発環境構築、基板製作、ソフト、ハードから部材入手に至るまでの全体を通してものづくりに挑む素養が培われたようです。

 GID事業部=私の事業は、おもしろいと思うものを提案し、実現して、装置と情報の両方を提供することです。おもしろいものとは、自分を含む誰かの役に立つもの、楽しいものであり、技術屋がモノを作るからにはそれは確実に動かなければいけません。(あるいは、動かない原因を究明しなくてはいけない!)
 つまり、「役に立つ」「楽しい」とは一体どういうことなのか、何が「動いている」ということなのかを定義して問題提起し、これを解決するのがGID事業部の事業であると言えます。  多くの技術屋と同じく、私には私が面白いと思ったものしか作れませんし、作りません。幸いなことに私はあまり題材を選り好みする性質ではなく、社内外からのオファーも私の頭の中も実現してみたい案件が溢れています。興味深い案件ばかりではありますが、興味の全てを実現することは困難ですし、戦略無くものづくりをしていては方向性を見失います。そこで、近年は「防災」を主テーマに世界を広げる努力を進めています。

 技術や知識・情報は、発信するところに集まり、引き出しに仕舞っておくと腐る傾向があります。1996年より、センサ、マイコンやADCなどハードとそれに密着したソフトの開発技術、屋外等悪環境での実証試験の成果や実験手法、評価手法などを、GIDプロジェクトとしてWebでの無償提供をおこなってきました。
 GIDプロジェクトでは、単にアイテムの提供だけに留めず、技術情報の公開とユーザによる自由な再利用を保証し、情報開示の社会情勢とも相まって予想以上の評価を得ることができました。
 今後はこれをさらに発展させ、「提案→作る→使う→役に立つ」の流れを明確にし、よりおもしろく、より楽しく役に立つものづくりを実践していきます。
  • GIDプロジェクトによる提供品
    • GID-ADC(実験研究用 12bitADC)
    • GID-FL(野外用観測装置)
    • GID-LOG(野外用デジタルデータロガ)
    • GID-SS(渓流用の水位測定センサ)
    • GID-uPC(データ通信インターフェース)
    • GID-115k(信号処理向け)
    • GID-GV(地震電波観測)
    • GID-DIO(実験研究用デジタルI/O)
  • GIDプロジェクトの今後のリリース予定
    • GID-SSS(USB接続地震計(強震計))
    • GID-ADC2(GID-ADCの改良型)
    • GID-ADC16(実験研究用 16bitADC)

3D事業部

 防災や自然そのものの研究をするために必要な、大きな構造物や自然地形の3次元形状を観測するシステムの研究開発をしています。

 航空機による観測はありますが、連続観測もむずかしく、天気が悪ければ飛行はできない。写真は精度が今ひとつだし。データを入手するまでの処理にも時間と手間がかかります。そこで地上型レーザースキャナを観測機材として運用しています。

 手軽な地上運用型のレーザースキャナ・システムを構築するためには3つの研究開発テーマがあります。
  • 簡素な装備で、効果的な測定を速やかに実施する方法
  • 地形に含まれる情報を取捨して、必要な情報を取り出すデータ処理法
  • 必要な要素を引き出せるような表示システム
 これらを解決し、地形に内在する情報を活用できるシステムを作るのが私の望みです。そのためには、電気、電子技術、数学的な努力が必要です。数理設計研究所内には、さまざまな分野のスタッフがいますが、未だ道なかば・・・。応用分野がゆっくりと広がって測定サービスの提供も増えてきました。更に進めるためには他分野から多くの人の知見を求めます。
 研究、開発を主とする3D事業部は、他の事業部や心ある会社の支援で成り立っています。おかげで、防災研究者と共同して観測実験をするために、経費の一部を私達が負担する事もできるようになっています。実際に現場で観測して実例をつみかさねる事が必要です。レーザースキャナがあれば更なる深化がえられそうな研究テーマや計画を求めます。

無償および研究者向けの測定

 最後に、私がこれまで従事した仕事を順に並べます。
  1. 化学薬品製造工場、プラントの開発、製作。
  2. 機械工場、製品開発。
  3. 熱処理ライン制御ソフトウェア設計、製作。
  4. ダム監視システム開発。 
 どれもおもしろい仕事でした。熱処理ラインの仕事では、仕様の詰めから試運転、現場指導まで、1、2ヶ月を現地で過ごすのが好きでした。機械装置のある現場で過ごす時間が多く、実験室とは違った面白さが氾濫しています。そして今、一番面白い対象は、自然だと感じます。どんな人工構造物、装置よりも、際限ない広さと奥深さの魅力は絶大です。

SPG事業部

 自然現象や電子回路、機械装置などの状態は時々刻々変化しており、その状態を時間を追って観測すると時系列信号が得られます。
 そして、観測によって得られた時系列信号を、様々な角度から、いろいろな手法を用いて解析すると、今まで見えなかったものが見えるようになり、これまで判らなかったことが判るようになります。

 世の中には実に様々な現象があり、それらを解明するための時系列解析手法が数多く考えられてきました。しかしながら、時系列解析は、解析手法が存在するだけでは実現できません。時系列解析処理を行うハードウエアやソフトウエアがあって初めて、時系列解析手法が実際の研究に生かされるのです。確かに、時系列解析を行うシミュレーションソフトウエアは数多く存在します。しかしながら、そういったソフトウエアは汎用的なものであり、個々の研究テーマに特化したものではありません。また、シミュレーションソフトウエアはあくまでソフトウエアであり、測定データの事後解析は得意ですが、測定データをリアルタイムに解析するのには向いていません。
 信号処理事業部(SPG)では、個々の研究テーマに特化し、リアルタイムで時系列解析が行える信号処理システムの開発を事業方針としています。そのために、時系列解析手法を従来型の信号処理法と組み合わせ、DSP等のハードウエアに実装可能な「時系列信号処理」を開発するための研究や実証試験を行っています。

 近年、情報処理技術の向上とあいまって、非線形時系列解析システムの実用化が注目されるようになってきました。これまでは、情報処理能力の不足などから、非線形な現象は線形な現象として「近似的」に扱われてきました。しかしながら、本来、世の中のありとあらゆる現象は非線形性を持っており、非線形な現象を非線形のまま扱うことができれば、未知の現象が解明されるだけではなく、既に知られている現象についても更に詳しく知ることができるようになるでしょう。

 本事業部では、従来の線形時系列解析システムはもちろんのこと、非線形時系列解析システムの開発も視野に入れて研究を進めております。
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