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2009年1月1日
新年を迎えて
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「電子技術を防災に」
株式会社 数理設計研究所 代表取締役 玉置晴朗 JA1QPY Hal.T
門松や 冥土の道の一里塚
めでたくもあり めでたくもなし (一休禅師)

 2008年の6月、私にも冥土の使いが訪れました。「そろそろどうだい?」。私は三途の川の私までお見送りして、「いや、もう少し待ってくれ」と願ったところ、今しばらく娑婆にいても良いと承諾をえて生き延びております。以前から生き死にについて語る事もあったのですが、今回はまっこと自分の生き死にですから、心おきなく話ができます。 

 ところで、防災とは医療従事者と同じく人の生き死にそのものの場所です。災害地では数人から千人もの方が埋もれている事もあり、数多くの人生がいとなまれていた崩壊地の上を歩くこともあります。そんな経験は生きる仲間に私たちの持つ微々たる技術でも良いから役立てたいと思わせるものであり、今の標語「電子技術を防災に」になっています。

 生物は生れた瞬間から死を目指して生きるものであり、終末があるのが定め。つまるところ生きること自体を目的とするものなのかもしれません。人生の目的を探そう、ではなく、人生の過程そのものが目的なのかな。私は1月末に60歳になります。平均的に言えば後20年。ただし平均は個別事象である個人には適用できませんね。
 サイバネティックスを創始したノーバート・ウィーナーは次のような事を書き残しています。お話の背景はエントロピー増大の法則を念頭に置いているようです。

 われわれはやがていつしか得らるべき最終的な勝利を求めて戦っているのではない。生きていること、生き続けること、そして生きてきたことは可能な最大の勝利である。いかなる敗北も、われわれから、無情とみえる宇宙の中ですでに或る時間だけ生存してきたという成功を奪うことはできない。

 これは敗北主義ではない。それはむしろ、一切の差別の不可避的消滅こそが必然である世界における悲劇の感覚である。われわれ自身の自然(本性〕を声高々と宣明すること、そしてまた無秩序へむかう自然の圧倒的な流れに面と向って組織という飛び地を築く企ては、神々と、その謀する鉄の必然に逆らうごうまん無肌である。ここに悲劇が存し、しかもまた栄光もここに存する。


 サイバネティックスはいかに生まれたか
 ノーバート・ウィーナー

 数理設計研究所はあいも変わら研究事業をメインにしています。研究は知的資産を生みますが、その資産を隠し持つ方向に道を取ることはしていません。隠し持つ生き方は私たちの望みではないのです。知見の文献化と公開があって初めて人の役に立ち、事業としても生き延びられるだろうといった感覚でしょうね。したがって、当社の研究員にはこの条件(文献化+公開)を契約条件としています。
 2000年以上の昔から我々は文献により、知見を受け継いできました。私は新たな知見を僅かしか付け加えられないでしょうが、それでもいいのです。それが私の人生の目的だと思います。

 2009年には、まだ原稿素案しかありませんが、スペクトラム拡散通信の高速同期法について知る限りの知見を盛り込んだ解説書を出そうと努力しています。通信とは人社会の基本的な技術です。調査、伝達、判断、そのひとつです。

 この10年、社会は産業から金融へと流れ、ありもしない価値を捏造して利をえようとしました。そんな社会も終焉を向かえるでしょう。金融経済がはやし立てられていましたが、しょせん想像の中の幻想であったということなのでしょう。
 これから先どうなるかわかりませんが、私たちの事業は人類始まって以来、綿々と続いてきた、知見の探索と共有を目指しています。おそらく社会が文字と言葉を持ったころからの職業であり事業です。世界を探索し生活圏を広げていくからこそ10万年ぐらいの間に世界の隅々まで人類は広がりました。
 海辺に立って限界を見出せば船で乗り出し、南北に生活を広げ、寒さに凍えればそれなりの準備を発明しました。しかし、これは楽観とは違います。犬などと異なり現代人類のDNA変異はごく僅かなようです。つまり少なくとも一度は世界人口が3000人以下に減少した時期があったのではないかと推測されています。絶滅危惧種だったんです、おそらく巨大噴火や大災害でしょうね。それでも人類は生き残り今に至りました。さて、われわれの未来には何が待ち受けているのでしょう。

Live as if you were to die tomorrow.
Learn as if you were to live forever.
Mahatma Gandhi

明日死んでしまうかのように生きろ
永遠に生きるかのように学べ
マハトマ・ガンジー

    2009/1/1 Hal.T mad@mail.wind.ne.jp

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