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西無線製の試作機
BPSK変調後のジッタ評価


株式会社 数理設計研究所 玉置晴朗
2007/07/17-07/25
Index

概要

 叶シ無線に依頼していた微弱電波用の送信機の試作品が届いた。

 供試送信機は目的周波数をPLLで作成している。「PCB内にあるPLLがBPSK変調後の送信電波から干渉う受けて位相にジッタを起こしている可能性があるのではないか?」と。西無線から調査の依頼があったので、精密に位相のジッタを測定する必要があった。
 ならば周波数測定器で調べればいいのではと思われるかもしれない。しかし、ここで言うジッタは極限的なジッタであり、1拡散コード長(1.3kBPSで1024bit)を送出する0.73秒の間に±0.25Hz程度に納まっているかどうかの判定を要する。これが0.5Hzを越えてくるとスペクトラム拡散の処理利得が低減してくる。擬似乱数で変調しているのでほとんど雑音に見える送信電波からジッタを測定する必要がある。つまり、周波数測定器は拡散信号なので(雑音のような送信波形になっているから)測定できない。
 したがって、実証試験で作った50MHzのSS受信機を使い、てパソコンで受信解読して逆拡散後のキャリャを再生して観測した。受信解読はPC内のFFTにより
(1378.125/1024)→1.3458582Hz 分解能を持ち、これをバンド巾40FFT単位(≒54Hz巾)で観察した。

 注:供試と前置きがあるものは叶シ無線製の試作機、実験1号機は実証試験に使った当社製

結論:
 少なくとも1拡散コード内のジッタは、Xtal発振の実験1号機とほぼ同じに見える。FFTによる1.35Hzの1FFT単位に納まっている。ジッタがあれば逆拡散後のスペクトルは3FFT単位ぐらいになるはずなのだ。つまりジッタは無視できる範囲であろう。
 実験中に気がついたのだがXtal発振の実験1号機は時々ジッタが出る。Xtal発振モジュールの電源ON/OFFのショックだろうか?

実験システム

実験配置

DSC04882.JPG DSC04881.JPG
  TX、SS信号発生器、DBM 上からSS信号(デジタルオシロ)
周波数(SR625)、SG(HP8657A)

信号の流れ

SS実験機1号
デジタル部の信号
供試TX -33dBm
303.2MHz
→RF DBM
TUF-2
IF→ -42dBm
49.95MHz
SS受信機
FT-857D
PC CF-29
SSデコーダ
- - HP8657A() +10dBm
353.15MHz
→LO

SS実験機1号 仕様

1 通信周波数 49.960MHz
2 変調方式 BPSK 直接拡散 ノッチ間の帯域幅 2757Hz (SSB帯域幅)
3 TIP 時間 0.7256236msec 拡散するための最低1単位時間
周波数 1378.125Hz 拡散するための最低1単位時間の逆数
4 拡散コード 10bit=1024TIP 10bit M系列は繰り返し1023TIPなので最後に0を追加して1024
周期 0.743038548 sec 32*1/44100*1024 → 0.743038548 sec
5 データ FLAG 初期同期のために連続して2拡散周期分を送出
6 DATA 伝送情報
7 微弱電波 電波法に規定された免許を要しない設備  3m地点で測定して 500μV/m以下

供試TX

叶シ無線に依頼していた微弱電波用の送信機の試作品。
  • 出力周波数 303.199 975 786MHz (@SR625周波数確度 5X10-11/month)
    • 実験開始から3時間後に30Hzほど低い方へドリフトしたが安定度は良い
  • 出力は簡単なATTを経由して1.5D2Vで出してあり -33dBmほどだった
  • 電源は3V、左図にあるように実験用の穴あきPCBの上に電池が乗っている
  • 内部変調のON/OFF、外部変調のSWがある

SG+MIX

DSC04868.JPG DSC04873.JPG  ミニサーキットのDBM(TUF-2)にSGから353.15MHzの+10dBmを与えて局発のかわりにした。
 周波数変換後の出力はスペアナにおいて-42.3dBm、DBMの損失は9dB。グラフは無変調、バンド巾は2kHz。スプリアスが全体的に-40dB(-70dBm)で発生している。このスプリアスはDBMによる混変調によるものか送信機自体なのかは不明。いずれにしても支障は無い。
DSC04880.JPG 参考のため、バンド巾を500kHzにして観察。
スプリアスはバンド巾200kHzぐらいで減衰している。

受信解読

ss_gid.png 既存SS実験機1号(発振モジュール)による受信解読波形 49.96MHz

上段 RFスペクトル、送信が終わり雑音だけが見えている
中段 解読後の2048Hz巾のスペクトル、中心が1024Hz
下段 解読後の中心部54Hz巾のスペクトル
ss_nisi4.png 供試TX(西無線製)による受信解読波形

上段 受信スペクトル、無変調CWが見えている(BPSKの変調が1だけ)
中段 解読後の2048Hz巾のスペクトル、中心が1024Hz
下段 解読後の中心部54Hz巾のスペクトル
受信電力と経路が(SS実験機1号とは)まったく違うのでベースレベル雑音の大小はあまり関係無いと思う

測定装置


..end