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2004/08 中国の三峡ダム
地すべり調査のお話2


株式会社 数理設計研究所 玉置晴朗 2004/08/20
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成果図

2004/08/07 沙鎮渓鎮から長江を渡り樹坪地すべりの対岸  樹坪 Shuping

 7:30に朝食、8時に出発。今日はあきらかに野外だけの作業、トイレも不安だけれどゆっくりしている暇はない。出発のためにロビーに向かう。ロビーは準備で大混雑、長江の対岸に行くので発電機も必要だ。

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船着場 朝もやの対岸 船着場の前を通る船
 8:20にパジェロ他1台で船着場に到着。ここが長江だと思っていたけれど、実はまだ支流の青干河だった。それでも川幅は優に300mはある。浮き桟橋の上に船着場の事務所が建っていてひっきりなしに前を船が通る。

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出発 出発(Movie) 長江の中心から下流を見る
 機材と発電機を積み込み我々3人とオウさんチョウさんと出発。船出してから支流を2度ほど曲がると長江に出た。奥利根湖のような大きな水面が広がる。遠くに見えるのは貨物船。水は明るい土色に濁り、それを掻き分けて船はまっすぐ対岸に向かった。
 対岸に近づくと別の小船に声をかけ、(前から予約していたらしい)2艘で200mぐらい上流の対岸に到着。水没した木にロープをかけ、さらに重そうな錨を岸にある岩に引っ掛けて係船した。
W 293 N305946.540 E1103750.030 07-AUG-04 00:49:00 0 293 長江の中心

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地すべり左側 地すべり部
樹坪、Shuping、スッピン
測定地から上流(左岸)
 これが対岸から見た樹坪地すべりである。対岸まで1kmぐらいの距離があり朝もやではっきり見えない。上流左岸にはダムによる水面上昇で新築移転したビルが道路沿いに並んでいる。この付近では45mの水位上昇だったらしい。

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「49」の数字がある標識 苦闘(Movie) 始動!(Movie)
 対岸が見渡せる少し高いところに「49」の数字標識があり、そのそばに荷揚げした。これは航路標識か川の管理用標識だろう。今回は自動車からの12Vではなく220Vの発電機があるので安心していたのだが、これが大騒ぎの元になるとは思わなかった。
 中国側スタッフは30mほど上まで荷揚げするつもりだったらしい。私は生来のめんどくさがり、「1kmも離れているターゲットなので30mぐらい高く登っても関係ない」などと言って上部まで荷揚げしなかったのが後で幸いした。荷揚げしていたら電源トラブルで観測できなかっただろう。
W 295 N305809.250 E1103637.610 08-AUG-04 02:11:00 0 295 観測地

 まず、最初に電源だ。しかし、発電機がなんとしても始動しない。オウさん、チョウさんが一生懸命努力しても動かない。携帯電話で操作したことがある経験者を捜して話をしても解決せず。やはりこういう機械は使い慣れた人間とペアにするべきだった。。長江沿いでは携帯電話がどこでも通じ、これは便利だった。
 船の直流電源があると言うので、調べたが6V!。配線をつなぎかえれば12や24Vが出ると言うので試みてもらった。船内には恐ろしく年代物のエンジンがあり、ジェネレータからよれよれの老朽電線が出ている。手でこじれば被覆がぼろぼろ崩れる。船の持ち主が工夫してくれたが、どうも電圧が不安定で使うことはできなかった。しかたなく、町まで12Vバッテリーを借りに行ってもらう事になり、別の小船で数人が町へ戻った

 半分あきらめていると、突然オウさんが発電機の始動に成功。テスターで電圧を測ると340から380V出ている、無負荷だから電圧が高いのだろうと軽く考えたのがいけなかった。最初の失敗は12Vを作る定電圧電源(T&C 3644A 0-18V 6A 100W)が220Vまで対応していると信じ込んで100Vと220Vの切り替えSWがあることを忘れていた。コンセントを差し込むとバッ!と音がしてヒューズが爆発、小さなミニヒューズのガラス管まで壊れていた。しかたないので、矢澤君が細いより線2本を使って臨時ヒューズを作成。
 その作業をしている間にPCの電源アダプタが煙を吹いた!、あわててコンセントを抜くがアダプタは死んでいた。220Vと書いてあるが1.7倍の380Vではさすがに無理みたい。この発電機は4kW、我々の消費電力はどう多く見積もっても200W。負荷を与えようがどうしようが無負荷に近いことは間違いない。
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発電機で苦闘する 観測開始(Movie) 貨物船の波(Movie)

 我々なりにジタバタしていると、またまたオウさんが発電機の電圧制御に成功した、天の助け神様である。しかし、発電機を低い回転数に制御するので排気は真っ黒、これで大丈夫かなあ?。220Vではなく200Vぐらいが安定に出てきたので、200VからDC13.6Vを作成して測定器に与え、PCへは13.8VからPC用の電源を作るDCアダプタで電源を供給できた。

 以後、4時間ぐらい安定に測定を続けると、突然発電機が原因不明の停止。ガソリンがないのかもしれないが、タンクや発電機全体があまりに加熱していてタンクの蓋を開けることがためらわれた、とにかくさわれないほど熱くなっている。しかし、それまでに町からトラック用のバッテリーを2個持ってきていたので、12Vから100Vを作るインバータで観測を続行できた。このインバータは良い、おすすめ!

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樹坪地すべり左側 樹坪地すべり中心 樹坪地すべり右側
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上流へ向かう貨物船 標識 周辺のミカン畑
 11:10の樹坪地すべり。朝モヤが晴れて、かなりすっきりとしている。ターゲット再遠はおよそ1500m。目の前を貨物船がひっきりなしに通る。 朝早く出たのでトイレ、トイレ!、この航路標識の少し向こうにおいて、往来する船を眺めながらXXX、快適。

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中国スタッフと目標確認 荷運びを依頼した地元の人 観測風景
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昼飯+バッテリが到着 (Movie) チョウさんと英語 と筆談で話す名倉君
 周囲の斜面は一面にミカン畑がありミカンの匂いが漂っている。農作業している方にもらって食べてみた。ひと粒づつ分離しないので皮をむいただけでかぶりつく。見た目はライムのような感じだが非常においしかった。斜面のミカン畑は石垣で固め、畑表面は良い状態に見える、農民も穏やか。
 しかし話しかけられた時には困った。私たちが何か言っても、中国の別の地域から来た人間だと思っているのか、なかなか会話から開放してくれない。いっしょうけんめいわかりやすく標準語で言い換えているのかもしれない。そういう時はチョウさんかオウさんに助けを求めて日本から来た技術者だと説明してもらったら、ニヤッと笑って「そうか仕方ないな」と解放してくれる。

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炎天下で調整中の名倉 水中翼船(Movie) 撤収(Movie)
 観測が始まると何もすることがない。発電機がとまらないよう、電源トラブルが起きないように祈りながらひたすら待つ。お昼は小船で届いた弁当。中華風にいっぱいおかずがある。毎晩食べるのと同じくものすごく辛い。野菜炒めの感じで言えば、野菜全部が唐辛子、その隙間に豚肉が転がっている。たまらんぞ。ここは四川ではないが沿海部からみると山のなか。四川風の味付けになっているとオウさんは言っていた。

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帰る(Movie) 風格のある手伝い 石炭の船積み
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岸壁の地層 - -
 18:30に観測作業を終了して帰りについた。先日見た山から下りてきた石炭トラックは川筋を下って、この石垣で作った砦に見える船積み場に石炭を下ろすようだ。長い滑り台で石炭を貨物船に落としている。岸壁には連続した厚い地層が見える。この巨大な傾斜した地層の間に粘土が挟まっていたりして、それが地下水位の上昇もあって地すべりの原因になっている。
 やれやれ、本日の作業は終了。これで4ヶ所のうち2ヶ所ができた。夜の食事は辛くて食傷気味。恐る恐る薄味かどうかを確かめてから食べるようになった。一日中炎天下にいたので夜はバタンキューと言いたいところだが、なかなか寝付けない。
 なぜかと言えば、クーラーが効きすぎて寒いのだ。温度調整をしようと思いリモコンを探したのだが見つからない。部屋中捜しても見つからない。挙句の果てにベッドの隙間、トイレの中、ゴミ箱、ありとあらゆるところを捜しても見つからない。しかたないので網戸がある窓を開けてみたが風はない。ところが、これが最悪。暖かい空気が部屋に入りクーラーのある天井付近にたまる。そうするとクーラーさんはさらに頑張る。
 この部屋は天井が高いので天井付近は30度、床付近は20度ぐらいまで冷えてしまった。もう、寝るどころではない。このクーラー、不思議なことにクーラーの下、目線あたりにブレーカーがあるのだ。そのブレーカーを落としてクーラーを止めて寝た。暑い中国の寒い夜だった。
 翌日、聞いてみるとリモコンがある部屋とない部屋がある。実は室内係だけがリモコンを持っていて、昼間は大元のブレーカを切ってある。部屋に人が入るとオネエサンが現れてリモコンでクーラーのSWを入れる仕組みになっていたのだ。ところ変わると、こんなこともあった。

2004/08/08 沙鎮渓鎮の千将坪から香渓鎮

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千将坪 千将坪 千将坪
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千将坪 中国語教本で会話
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坂道のカーブ 坂を下る石炭トラック 自動測定(Movie)
 朝8時に出発、午前中は一昨日に観測した千将坪の右側地域をひとつ下流側の展望台から追加測定。中国側スタッフが道を挟んだ家から椅子とお茶の入ったヤカンを借り、ミカンや梨も買ってきてくれた。親切かつこまめにサポートしてくれる。途中で中国人の観光客も訪れ、ここが観光地であり、中国国内でも観光で出歩く人が多くいることを実感した。時代は変わりつつあるんだよ、今の中国は核家族の入り口なのかな。
 ホテルでお昼をいただいてから、沙鎮渓鎮から長江の下流側にある香渓鎮まで移動を始めた。XX鎮と言うのはXX町、YY坪というのはYY地といった感じ。XX市は日本よりも広い地域を意味するようで県や郡に近い。ここも宣昌市だ。

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山道(Movie) 長江を渡る船着場 側船式のフェリー(Movie)
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船着場横の石垣 長江の日暮れ 18:36:50 香渓鎮 金天地大酒店
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- - 天気予報(Movie)
 14:30に沙鎮渓鎮を出発して香渓鎮に到着したのは20:00であった。直線距離で12km、およそ60kmをグネグネとパジェロで山道を来た。5時間30分かかったがフェリー待ちもあったので5時間ぐらいだ。

 運転手は安定な速度でうまい運転をする。しかし怖い。右側通行だけれど、山道では常に道のど真ん中を走るし、ガードレールは無い。前方のカーブから何が飛び出してくるか?、何でもありだ。人間、犬、バイク、トラック、乗用車、見てのお楽しみ、対面すると恐怖。途中で1件の事故、バイクと自動車の衝突直後の現場。
 ここいら辺の石垣は石を積んで隙間にモルタルを盛り上げている。日本では見ない造形だ。夕刻に次の目的地である香渓鎮にあるホテルに到着した。

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