ひとつ前へ WWWルートへ mad@mail.wind.ne.jp

防災のための予知

(C)数理設計研究所 玉置 2002/01/08-2002/11/10

 一般的に予知は重要なイベント(E)を示唆する事象(p)を事前に知り、次に起こるイベントに対応させる。であるならば、1回の(E)について(p)が観測されたとき、よっぽど因果関係がはっきりしていなくては(p)を事前予知事象とは言えない。
 たとえば、私がドブに落ちる(E)、30分前まで酒を飲んでいた(p)なら、わりに因果関係ははっきりしているので(p)は事前事象と言ってよいかもしれない。酒酔い運転で検挙される(E)、30分前まで酒を飲んでいて運転した(p)なら、事前事象かもしれない。この(p)は必要な事前事象ではある。酒を飲まなくては酒酔い運転にはならないが、酒を飲んでも警察がいるか事故に会うかしなければ酒酔い運転にはならないので、この条件は必要ではあっても必ずイベント(E)には結びつかない。

 ところで、ある地震(E)の数日前、数時間前にある自然観測パラメータが有意に大きく(p)なっていたとしよう。このとき、この(p)が地震には無関係に大きくなることがあるとすれば、(p)は(E)に直接的な因果関係は無いかもしれないが、「風が吹けば桶屋が儲かる」程度のめぐりめぐった因果関係があるのかもしれない。(E)の前に必ずこの(p)があるかどうかは地域的な特性や他の因子によって左右されるだけと想像することができる。
 ここまでのお話しで、(E)と(p)の関係付けについては一筋縄ではいかない困難さが見て取れるだろう。結論として「誰もが認める因果関係」があれば(p)は(E)の前兆であると言える。しかし、(p)は(E)のみによって起こるとまで断言することができなければ多種類の(p)によって予知の補強をする必要が出てくる。

 地震や崖崩れのスタートが明確になっていない以上(E)と(p)の因果付けは難しい。因果付けができないときに可能な方法は(E)と(p)の関係を研究するには次の方法がある。
 (p)は必ず(E)の前に起きなければ意味が無い。そこで(E)を観測された応答とし、(p)は応答(E)を引き起こした入力信号だとする。システム的に見れば多入力1出力のブラックボックス、しかし入力には別の入力や過去の履歴から逆伝達しているものが入力に見えている部分もある。
 問題はブラックボックスの中身(伝達関数)を解明するか推定することになる。シンプルで時間不変が保証されているシステムであればただ一度の応答から伝達関数が無理やり作れるが、これで実際の予知は不可能である。
 予知が成功するならば多数の(E)について多数+多種の(p)を用意集積して、これら個別の(E)+(p....)について相互相関を取れば(E)以前の適当な時間範囲において相関値が高くなることは間違いない。
 予知に使えるパラメータの組(p...)はこのような方法で相互相関値の高いものを選び出す作業だと思われる。


市町村 アジア 世界
浸水
台風 土石流
10
30 大洪水
100
3百 噴火
1千 大地震
3千 噴火
1万 大噴火
3万
10万
30万
100万
300万
1000万
3000万
1億

..end