土石流目撃記録

TAKENOUTI

当時の記録ノートから:
 76年8月14日
 松本=大町=扇沢−黒部ダム・・・ダムの淵を歩く。
 中の谷の橋を渡ろうとしたが、目前で、大雨のため鉄砲水で増水し、橋は壊される。
 一応避難テントを張り、ココアを飲んで落ち着く。
 川の水が増し、流れが変わりそうなので山の斜面に避難する。(1:30pm)
 この雨が止む。まさにタライをひっくり返したような雨だった。
 平の舟が救いに来てくれた。平の小屋へ行き、落ち着く。
 テントサイトでテントを張る。3:00pm。
 再び雨が降る。


アンケート回答:
> 沢の形態的描写、沢水の巾、沢全体の巾、V字谷両側の傾斜、植生の種類
> 岩の質や色、沢にある岩石の雰囲気、一般的な岩サイズ、沢水の深さ、
> 沢水の流れている沢水が岸から落ち込んでいるかなだらかにフラットか
> 沢水の色、透明度、飲める水か

 この沢は出口はなだらかだが、奥を見渡せば、両脇はだんだんと狭くなっていく。
 橋がかかっている所はなだらかで、河原以外は木々が生えている。木々の名前は不明。
 河原には20〜30センチほどの石がごろごろしている。沢幅は4、5mか。
 水の色は、始めは濁った川の色だったがその後茶色。
 沢は一般的な山の沢そのもの。
 写真を御参照ください。

> 直前の雰囲気、どこを歩いていたか、

 中の谷直前の丸木橋を渡ろうとし、橋のかなりの手前の河原で様子を見ていた。
 しかしなんとなくヤバイと感じていた。

> なぜ察知し逃げられたか、音か雰囲気か?

 雨降りだったので、早く渡らなければというあせりもあったが、10分位の間に川幅が急に増加し始め、ヤバイと思って、避難したほうが賢明と判断した。
 また、石がゴロゴロ転がる音がした。
 沢の向こうには、登山者2名がこの沢を渡ろうとしていた。同行の竹野氏は「あぶないからやめろー」と叫んだが、声は届かず。しかし、幸いながら彼らも徒渉をあきらめ避難した様子。

> 察知瞬間、最初に見た瞬間どのような構成だったか、
> 岩が見えたのか水が見えたのか音が聞こえたのか、地響きか

 沢の水量が増え、沢の斜面に生えている木々がナギ倒されて流され出す。
 音はゴロゴロという石の流れる音が聞こえた。沢幅は10分位の間に急に数倍ほども広がり、もはや徒渉は不可能。
 丸木橋は、流されてしまったと記録にはあるが、当時の情景を思い起こせない。
 沢幅ははじめは4〜5m。河原の石の高さと同じほどの水面位置であった。深さも徒渉可能な位のようす。ただし、近くに寄るのは危険と判断し近づかなかった。
 土石流は沢斜面の木々を巻き込んで、土砂とともにこの木々が流されていく。
 最終的には沢幅10m位か。沢の深さは1m位はありそう。

> 近傍に来たとき、土石流の前面はどのようなものだったか、組成は、
> 音や振動、前面の高さ、または土石流の厚み

 沢の流れが急に盛り上がったような感じがした。
 黒部湖への注ぎ口は茶色となっており、徐々にその半円形の茶色は広がっていった。

> 通過中、どのような音と振動。どれぐらい続いたのか?
> 通過後、どれぐらいしたら行ってしまったのか、
> 下流で何が起きたのだろう、自然消滅または本流で消滅。
> その後の情景、気持ち
> この土石流の原因推定はできるか?