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文構造の実践的な作り方

数理設計研究所 玉置晴朗 2001/4/4 - 2007/10/06

Index

もれなく書きたいことを書いてあれば良い文でなくてかまわないこともある

その生成手順の1例

1:読者対象を想定する

 今私は、数理設計研究所の研究員を想定する。年齢27〜50、理工学の言葉ぐらいは知っていて、そこそこやる気はある。

2:述べようとする目的を決める

 1行で述べたい内容を書く

3:述べる内容を項目を挙げてリストする

4:各項目を整理

 内容をひとつづつ項目にしてリストします。それから関連や順序を整理してみましょう。

5:各項目をあげる理由づけ

 この2つは「私」側から見た項目だ。文章は読者が読むので、読者に「なんでそういう項目をあげたの?」と聞かれるはず。したがって、その項目の合理性が自明でないときには説明が必要だ。

5−1:必要な手がかり

 共通理解を得られるように説明し語句の限定をする。岩登りの時のハーケンのようなものである。

6:文の作成

「文の構造」
 AがBに情報を伝えるという。たとえば音声で伝えるとすると音声は情報だろうか? 空気の振動ではあるがこれを情報というのなら自然界には情報が満ち溢れているし雑音も情報の一部であろう。
 たぶん、すこし情報は違った趣旨の単語として使われるはずだ。「ああ、わかった」というような人が人にある理解を伝えたという意味なのだろう。では意味を伝えるのが情報なのだろうか。これもあいまいである。実は意味は伝わらない。意味を想起させるきっかけが情報といわれているものだ。
 「あの信号は赤いね」という音声情報が「信号」や「赤い」といった共通概念の上に組み立てられている。つまり基本的な構造の結合のありようを示唆するのが情報伝達の情報なのである。さらに複雑な概念はある共通の基礎構造の上に中間構造を立て、それの操作によって始めて通知され認識されるのだ。
 これを文章でおこなうのが文の構造の役目であり、構造が知識構造をそのままでないにしろ反映しなくてはいけない理由となる。

「文章の簡素化」
 上にあげたように文をもって意味を伝えるという作業は作者が読者に対して、「この文章のような構造を伝えたい」と示唆するのだ。これを読めば意味がわかるということになっていなくては、文を書く意味がない。

 さて、少々複雑な文章になってしまったが、読みにくいだろうな。

7:文章の整理

先の文章を整理して、冗長な言いまわしや長い文をコンパクトにしてみよう。

「文の構造」
 AがBに音声で何かを伝える。音声は情報だろうか?。音声は空気振動であり、これを情報と言うなら雑音も情報であろう。情報はもうすこし違うものを指す単語として使われる。
 「ああ、わかった!」、ある理解を伝えたら意味がわかった、理解したと反応する。では意味を伝えるのが情報なのだろうか。これもあいまいである。実は意味そのものを物質と同じ意味で送ることはできない。意味を想起させるきっかけ(作用)が情報と言われるものの実態なのだ。
 「信号は赤い」という音声情報は、「信号」や「赤い」といった共通に持つ概念の上に成り立つ。つまり、共有する基本的な知識とその結合のありよう(=構造)を示唆するのが情報伝達の「情報」なのである。
 複雑な概念はある共通の基礎の上に構造が作られる、たいていの上位にある知識は複雑な知識構造を基礎にして始めて通知され認識されるのだ。
 この、意味の喚起と伝達を文章でおこなうのが文の構造の役目であり、文章の構造が知識構造を基礎にする必然性もそこにある。もちろんここで言う「文章の構造」は文学で意味する文の修辞構造ではない。
 ただし、知識構造を切り取ってそのまま提示しても意思の伝達にはならない。なぜならば「なぜ」それが述べられるかという意思性もその文章に反映していなければならないのだ。
「文章の簡素化」
 上にあげたように文をもって意味を伝えるという作業(文章の作成)は作者が読者に対して、「この文章で、この文章の示唆するような知識構造を伝えたい」のだ。これを読めば意味がわかるということになっていなくては、文を書く作業の意味が半減する。
 もちろん読んでくれなくては意味がない。そこで読んでくれるような工夫も必要である。おもしろくてメリハリのある文だね。

8:導入部の追加

「はじめに」
 文章で意思を伝えるとひとことで言っても簡単ではありません。初めて街角で会う人に向かって、「ハンダ付けの方法は、こういう風にするんですよ」なんて言ってもキチガイ扱いされます。相手の意思を確かめ、話を持ち運ぶ手続きが必要です。それが「はじめに」にあたる部分です。

9:全体

「はじめに」
 文章で意思を伝えるとひとことで言っても簡単ではありません。初めて街角で会う人に向かって、「ハンダ付けの方法は、こういう風にするんですよ」なんて言ってもキチガイ扱いされます。相手の意思を確かめ、話を持ち運ぶ手続きが必要です。それが「はじめに」にあたる部分です。

「文の構造」
 AがBに音声で何かを伝える、音声は情報だろうか? 音声は空気振動でこれを情報と言うのなら雑音も情報であろう。情報はもうすこし違うものを指す単語として使われる。
 「ああ、わかった!」、ある理解を伝えたら意味がわかった、理解したなどと反応する。では意味を伝えるのが情報なのだろうか。これもあいまいである。実は意味そのものを物質と同じ意味で送ることはできない。意味を想起させるきっかけ(作用)が情報と言われるものの実態なのだ。
 「信号は赤い」という音声情報は、「信号」や「赤い」といった共通に持つ概念の上に成り立つ。つまり、共有する基本的な知識とその結合のありよう(=構造)を示唆するのが情報伝達の「情報」なのである。
 複雑な概念はある共通の基礎の上に構造が作られる、たいていの上位にある知識は複雑な知識構造を基礎にして始めて通知され認識されるのだ。
 この意味の喚起と伝達を文章でおこなうのが文の構造の役目であり、文章の構造が知識構造を基礎にする必然性もそこにある。もちろんここで言う「文章の構造」は文学で意味する文の修辞構造ではない。
 ただし、知識構造を切り取ってそのまま提示しても意思の伝達にはならない。なぜならば「なぜ」それが述べられるかという意思性もその文章に反映していなければならないのだ。

「文章の簡素化」
 上にあげたように文をもって意味を伝えるという作業(文章の作成)は作者が読者に対して、「この文章で、この文章の示唆するような知識構造を伝えたい」のだ。これを読めば意味がわかるということになっていなくては、文を書く作業の意味が半減する。
 もちろん読んでくれなくては意味がない。そこで読んでくれるような工夫も必要である。おもしろくてメリハリのある文だね。

10:編集・見栄え

 版面スタイルも重要です。たとえばこんなのはどうですかな。

「はじめに」
 文章で意思を伝えると、ひとことで言っても簡単ではありません。初めて街角で会う人に向かって、「ハンダ付けの方法は、こういう風にするんですよ」なんて言ってもキチガイ扱いされます。相手の意思を確かめ、話を持ち運ぶ手続きが必要です。それが「はじめに」にあたる部分です。

「文の構造」
 AがBに音声で何かを伝える、音声は情報だろうか?。音声は空気振動。これを情報と言うのなら雑音も情報であろう。情報はもうすこし違うものを指す単語として使われる。
 「ああ、わかった!」、ある理解を伝えたら意味がわかった、理解したなどと反応する。では意味を伝えるのが情報なのだろうか。これもあいまいである。実は意味そのものを物質と同じ意味で送ることはできない。意味を想起させるきっかけ(作用)が情報と言われるものの実態なのだ。
 「信号は赤い」という音声情報は、「信号」や「赤い」といった共通に持つ概念の上に成り立つ。つまり、共有する基本的な知識とその結合のありよう(=構造)を示唆するのが情報伝達の「情報」なのである。
 複雑な概念は、ある共通の基礎の上に構造が作られる、たいていの(生物的・原始的ではない)上位にある知識は複雑な知識構造を基礎にして始めて通知され認識されるのだ。
 この、意味の喚起と伝達を文章でするのが文の構造の役目であり、文章の構造が知識構造を基礎にする必然性もそこにある。もちろんここで言う「文章の構造」は文学で意味する文の修辞構造ではない。
 ただし、知識構造を切り取ってそのまま提示しても意思の伝達にはならない。なぜならば「なぜ」それが述べられるかという意思性もその文章に反映していなければならないからなのだ。

「文章の簡素化」
 上にあげたように文をもって意味を伝えるという作業(文章の作成)は作者が読者に対して、「この文章で、この文章の示唆するような知識構造を伝えたい」のだ。これを読めば意味がわかるということになっていなくては、文を書く作業の意味が半減する。
 もちろん読んでくれなくては意味がない。そこで読んでくれるような工夫も必要である。おもしろくてメリハリのある文だね。

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