ひとつ前へ WWWルートへ 記述責任者:mad@mail.wind.ne.jp

Index

電波観測で地震警報を出せるか?
発起文書

株式会社 数理設計研究所 代表取締役 玉置晴朗
Ver 1.7
2003/10/06 - 2003/10/30
このページは研究発起のための準備文書です

普通はできあがった形で公表するのが一般的ですが、
今回は発起の段階から公表したいと考えたものなので
ポロポロ内容が変わりますが御免。
2004/12/27 断層運動が作る地球表面への電磁場

前史

 GID-ADCは実は串田さんのFM観測を紹介したTV番組を見て、記録紙の消費が激しいとコメントがあったので、自動記録するものがあったらおもしろいなと感じて作ったものだった。しかし、作っては見たもののアマチュアの技術者をターゲットにしたので完全な素人が使えるものにはならなかった。
 今年(2003年)の夏の終わりに串田さんが始めて予測警報を公開した。防災に関わるものとして放置できず会合にも参加してみたが、いまひとつ努力はわかるのだが科学性を持たせる手法に疑問を感じていた。そして、たまたま現在は行徳高校の電波観測に関係しているふるかわさんがずいぶん前だが技術的な相談を持ちかけてきたのを思い起こし、「ではやろうじゃないか」と関与する機運が高まった。
 たまたま、数理設計研究所は昨年度から株式会社になり、旧来の友人の引きもあってかなりの民生品LSIがらみの開発が当研究所を通じて流れるようになっている。営業的には良いことなのだが研究所としては内容が貧相になりかねない危機にあるともいえる。そこで研究所らしい息吹を取り戻そうと、(我々にとっては)壮大な夢を手がけることにしたのだ。

発起

 電波観測情報を分析する手法が地震警報を出せる技術になるかどうかはわからない。地震は地球の振動であるから振動観測のみによって予知可能であるといった立場もあるだろうが、そんなものではない。星の組成は宇宙旅行をしなくても光や電磁波を観測することによって分析できるものだ。
 観測が公的研究機関だけによって行なわれる時代は終わった。過去を振り返れば公的研究機関だけで科学が維持されていたわけでもないが、民間でも小さな観測装置を数多く設置してインターネットを通じて大規模にデータ収集することができる時代になっている。電波と地震の関係を信じるかどうかはともかくとして科学的な評価を与えることができる時代になった。
 数理設計研究所は防災技術の研究(GID−FLMAD3D)以外にも民生機器のためのLSIやシステム開発をしている。それらの事業は資金を得るためであると同時に防災研究の観測技術に使えるものでもある。そこで、当社の志向性を適用して新たなこの分野に若干の研究投資をすることにした。
 電波観測から数日前の短期予報に成功すれば言うことは無い。現状技術で不可能であることの証明に至れば、残念ながらそれでも意味がある。
 研究は計画そのものすら研究なのであって、できあがった型にはまるのではつまらない。広く衆知を集めて進めてみたいし、いずれにしてもこのプロジェクトでライセンス類を主張する意思は無いので完全公開で研究プロジェクトをスタートさせよう。

資源

科学性

資金

運営


計画

観測装置

DB装置

統計と分析


数理設計のもくろみ

 民間企業がなぜこのような試みに手を染めようとするのか書いておかなければ片手落ちになる。数理設計は電子装置設計に関する業務をベースにしている。しかししょせん装置は装置、物作り屋であっても、もう少し実世界に関与したいと思っていた。それが防災技術への志向性となっている。
 防災技術(あえて防災科学とは言わない)に関与する中で、電子産業との大きな違いに驚いている。電子産業は測定、科学、技術が一体になったものだ。測れるものはとことん測る、測れないものも何とか図る努力をする。そこから電子技術は進歩した。誰でも(それなりの修練を積めば)測定技術の最低レベルに達することができる。つまり、やさしくは無いけれど、誰でもが基本情報を得ることができるのだ。(LSI技術の進化によって修練を積むこと自体も難しくなりつつあるが。)
 ひきかえ防災技術の測定では測地だけが突出し、残念ながら知りたい対象がそこにあることはわかっても手の届かないものとしていることが多い。実は資金ではなく手法の問題なのだとも思っている。

 ともあれ、我々はまず世界を見なければ考えることもできない。思考の中に宇宙が存在すると言うが、それは言葉のあやであり、人は環境によって生成するものだろう。防災に限って言えば、世界を知らずに世界を解釈しようとしている。この海の向こうに島があるのか? 行けばわかることだが解釈が先にたつ。 解釈を否定するわけではない、それこそが人間性のひとつだ。しかし、行って見ることができるのに行かない者には新世界の匂いはかげない。

 この5年ほど渓流水位の観測をしていた。困難を乗り越えつつあるが、その場所の雨量はまだ測れない。災害は大きなものもあれば裏山で起きるものもある。局地的な気象情報を知ることができれば防災にも役立ちそれ自体が興味深く楽しいものでもある。赤城ロボット

 電子機器の設計がプロの手に移りつつもアマチュアがついていくように、気象情報の観測と収集を専門家からアマチュアの手にも取り戻したい。これは私企業としても十分採算性のあることだと思われる。なぜならば、これこそが技術の目的であり人間の特性でもあるからだ。
 世界を知りたい、これが望遠鏡、航海、自動車、飛行機、ラジオを作りあげた動機だ。世界は狭くは無い、広大すぎて視野を奪われているだけなのだ。数理設計はアマチュアからプロに向けて技術提供することを基本としている。しかし直接そこから収益を得るわけではない。民生品の開発にそれら技術を反映させることが今の我々の収益源ではある。新しい測定技術はシステム開発の根本技術なので収益に直結するものなのだ。

 センサ、LSI、システム、観測、通信、蓄積、データ処理、提供、それぞれの技術が連結すれば相互作用を及ぼし、世界(観)に変化をもたらすだろう。将来はサガルマータの頂上と、裏山や畑の温湿度が同じ装置で観測できるようになりたいものだ。

 科学は技術と重なる部分もあるが、実は別の領域にある。そこを混同したくは無い。
参考: 科学と工学 理論家 技術屋の心眼 早川@群馬大学の考察

 というわけで、数理設計研究所は本件に関して直接的収益は望まない事もないが、それよりもシステム工学としてアプローチすることによって技術的な基礎資源を開拓し獲得する。

..end