ひとつ前へ WWWルートへ 記述責任者:mad@mail.wind.ne.jp

講師@実用化技術
2003/03 - 2004/02/20 玉置晴朗
Index

2004/02/20 講義後記

コメント:以下の文書には学生の資質にいらだっている内容をそのまま残してあります。しかし、振り返ってみれば私の至らなさがそのまま出ている記述なので残してあるのです。
1月からの一連の講義は以下の知見を得るための実験であったことを学生諸君におわびする。しかし、このプロジェクトを私が請け負うには、使用する素材(学生)について30年さかのぼる必要があった。私自身の経験は
 時代は大きく変わっても、人はそれほど変わらない。この人生経験を逆にさかのぼっていくしか、今の学生が近未来に直面するであろう旅立ちに向けての手助けができる立場に立てないとも思えた。こうあるべきだ、こうあるはずだでは良いプロジェクトにはならない。学生自身と学生が踏み出す社会を分析して初めて有益なものになると信じた。同時に私も今の学生の立場に立ちもどり、世界を共感することでしか未来への道は無いのだろう。

 私の本業である研究所は軍隊組織で言えば特殊部隊に近い。ある戦略(方向性)を合意するまでは民主制。合意された目的は能力の限り仲間を信頼して個別に努力し意見交換もする。現場作業では意見交換はされるがそれぞれの役割と権威による命令が行きかう形となる。そんな私が、とまどいを持つのは必然だった。

発端 2001-2002

 ある学校の修士課程大学院(情報系)で実用化技術について担当してちょうだいと話があった。2年ほど逡巡したあげく、講義はしない約束で請け負うことにした。講義はしないがお話はするかもしれないのでバラバラな話題では時間の無駄になるかなとも思い、ここに主題をまとめることにした。私がファインマン先生のように思いやりもあり教える能力もあればいいのだが、残念ながら単なる物好きな技術屋だと自覚しているので、それぐらいの努力はする必要もあるだろう。
 最上段に書いてある「実用化技術」とは何だろうと不思議に思う。どのような技術でも実用を目的としないものはない。技術とはもともとそのようなものだ。役に立たない実用性だってあるものだし役に立つかどうかはいたって主観的または独善的なものでもあろう。
 ま、それはいいとして。ズバッと技術を実用化する者=技術者、特に良い技術者の特徴をあげてみる。  なんの事は無い。ところで、正反対に悪い技術者の例をあげておこう というわけで、やってみようかと承諾。

Phase1 2004/01/15 5-6

 何やっていいか良くわからんので、相手を知ろうと思った。とりあえずの想定は  こんなところかなと思い、初回の講義(会合だね)にのぞんだ。5名の男子学生がいた。それぞれから今やっていることの目標などを聞き取り、それなりに私の知恵の及ばないことをやっているものだと納得。
 したがって、彼らの課題を支援する方向で今回の講義を進めることにしようと考えた。支援法は当方がいつも構築しているような研究WEBの作成を中心にして、研究が自己の作業を通じて対象を鮮明にする過程だということを実習しようというわけだ。  ところが、誰もその場では言わなかったのだが、彼らは自由に扱えるサーバを持っていないことが後に判明。もっと悪いことに、そういうサーバが学内に存在しないこと、構築法を知らないこと、などなどの疑問を提示する表現能力すら持っていないことがわかった。実用化講座どころか、自分の意思を表明する方法すら未熟すぎる。
 そこで方針転換、ハードウェアを見せつつもう少し感触をつかむことにした。

PS:この意見を長年のあいだ講師をしているものに見せたら笑われた。こっちがどう考えようと学生側から見たら講師は教官族の一員でしかないと。道は二つ、押し付けるか仲間に入れてもらうか? これも困ったものだ。

Phase2 2004/01/22 5-6 , 2004/01/29 5-6

 GID-ADCを含むいくつかの電子キットを提示しつつ簡単なハードウェア説明を試みた。半田付け、シルク印刷したレジストリマスク、1チップCPU、ADCなどの部品存在から始め、配線に使うワイヤの話などだ。単線と編線の話など、それなりに興味深く聞いてくれる。しかし、いまひとつおもしろくない。
 情報科学と電子部品の関係が密接ではなく、他人事として聞いているようだ。言って見れば、我々(学生)が将来動かすのはソフトウェアであってハードウェアは誰かが用意してくれると考えている。まあ、悪いというわけではないが、こっちも疲れるだけだ。そんでもってソフトウェアの話に切り替えることにした。

Phase3 2004/02/05 5-6 , 2004/02/12 5-6

 YSIMを題材に私的ソフトウェアを事業化する段階を追って解説。私の話もへたくそだが、どだい2年もかかっている開発過程を2時間ほどで述べるという試みは無謀だった。シミュレーションが実験をベースにすることなど、こまごましたプログラムテクニックなどを話していても隔靴掻痒。
 開発技術とは結局のところ開発プロジェクトの運営技術なのだろう。プロジェクトを持たない学生に開発技術を教えることはできないのではとも思うようになった。こまごましたことに注意を向けられなければ本物=実用化はできない。
 学生が今まで生きてきた学校では精選された学問を伝授している。ひきかえ現実世界に接点を持つ技術は精選された学問をその背景とする部分を持ちながらも、それ以上に莫大な周辺情報が押し込まれて実用化されている。私はこの認識があったとしても、甘かったことは否めない。あまりにも自分の世界だから見えていてもはっきりと表現しきれない。
 反省することおびただしい。

Phase4 2004/02/19 5-6

 ちょいと戦略(方向性)の整理 (学生は他人事として意見を述べてほしい)
 この講義自体が ”学生=要素を 現実社会に適合させる技術” ⇒ ”実用化技術” なのだろう

2004年向けプラン

基礎的考察

プラン

発想の基礎


..end