「八木アンテナを作ろう」 最初のページより

1 ハムとアンテナ

 そびえるアンテナにあこがれてハムになりました.無線で通信する相手は誰なのか?,不思議な感じをもったものです.さまざまな通信手段を選べる時代になっても,始めから相手を特定しない通信を前提とするハムのおもしろさは他に代え難いものがあります.
 本来のハムはこういうものだなどと時折り話しがでます.電池や真空管を自作する時代から(今ではCPUを自作することだってできます),それらを組み合わせて送受信機を作る世代(私の世代)へ移り,今では出来合いのトランシーバを買ってくることが普通になっています.これも時代の流れでしょう.自作がおもしろいとは言え,メーカー製のコストや性能と比較して,とってもかなわないのでは自作する気すら起きません.
 ほとんど市販品でまかなう今,アンテナだけは初心者からプロ級の方までアマチュアに手の届き,創造のよろこびを与えてくれるものです.
 いくつかの理由があります.市販品は多くのユーザーに売らなければなりません,性能と値段のバランスも最大公約数的に決められてしまいます.トランシーバなどは大量に売れるので非常に安く買えるのは嬉しいことです.しかしアンテナは未知の部分が多く,用途も多様で,これひとつでOKと言えるものにならないからでしょう. ハムが自作するものの上位にアンテナがあるでしょう.電子回路と違って簡単に製作できる半面,評価が難しいものです.私のはこういうデザイン,俺のはこうだと談義が尽きません.実際のところどうなんだと言いたくなることもあります.
 雑誌やハンドブックをあさり,先人が手がけたデザインをコピーすることしかできないと思われるかもしれません.いえ,そんなことはありません.科学技術はこれで極まってしまったと思うこともあるでしょう.しかし,ちょっと待ってください.それほど自然世界は底が浅いものではないのです.汲めども尽きない興味と深さ,深淵を見せてくれるものです.

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