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今年の宇奈月ダム排砂測定は霧に見舞われました。目視の観測もできない濃い霧から、あるのがわからない程度の濃さの霧、そして幸いにも現れたクリアな大気。それぞれの状態を測定できました。
レーザースキャナは提体に近い管理棟の階段踊り場に固定して、連続的な観測を実施しました。
見えないものは測れない。レーザースキャナ測定で良く言う言葉です。
濃い霧は人の目からも測定対象を隠すので、人の目以上に霧の影響を受けやすいレーザースキャナは測定できません。
それでは霧はレーザースキャナにどう映るでしょうか。
次の図は、濃い霧の中、ダムの上流側提体付近を測定したデータを表しています。
右端にダム提体、上側は対岸、中央から左の黒い部分は提体上流側の水面です。
距離をカラーコードで示しています。(近:赤→黄→緑→青:遠)
水面はデータがなく、黒色で表されています。
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測定データレーザースキャナ: RIEGL LMS-Z210対象: 宇奈月ダム上流側 時刻: 2005/07/03 16:35 角度ステップ 水平 0.12gon(0.108deg.) 垂直 0.12gon(0.108deg.) 測定点数:水平 950点 垂直 536点 |
左下から右上へ、刷毛で掃いたような橙色の形状は、明らかに地形ではなく、霧の流れを示しています。
霧は上空を舞うので、距離60m以下を削除すると次の図になります。
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左下の橙色は河床と見えますが、右上の赤い部分は遠方の霧です。
測定したデータ点群から距離60m以下の点群を削除し、CAD上平面図で表したのが次の図です。
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次の図は上流側から提体を見た立面図です。
提体右側を覆うのが、ダムを超えて流れる霧です。
水面はくっきりと現れています。
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| 夜に入って照明に照らされた、霧に巻かれる提体です。 上流から川に沿って流れてきた霧は提体で遮られて溜まり、風に乗って越えて行きます。 上空は澄んでいます。 |
「見えないものは測れない」なら、見えるものは測れるか。
多くは是ですが、霧では人の目より大きく影響されます。
「なぜ測れないか」「目に見えないほどの薄い霧、モヤがあるからだ」
こんな事がよくあります。
次の図は、上と同じ条件で測定した、霧が晴れた時の測定データです。
上の測定の9分後、16時44分測定。
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霧模様は見えず、手前から遠方に向かって水面が単調に続いているように見えます。
次に点群を平面図で表しました。
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横断面を作ります。
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図中、青い部分を切り取って、立面図を作ります。
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右側、水面を表す水平線上に、点群の塊があります。
実際にはほぼ平らですから、これは霧です。
霧の部分を赤に着色しました。
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平面図で表します。
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霧が水面上にあるのがわかります。
この霧は目ではわかりませんでした。
このように、レーザースキャナは目に見えない霧を発見します。
しかしこの霧が、測定した地形を誤解させるきっかけにもなります。
幸い、霧表面のデータは地形と違って凹凸が激しく、たいてい判別は可能です。
大きな範囲を測定して一部を詳細に検討する際は、注意が必要です。
● 宇奈月ダム排砂の観測は、排砂が始まった当初から今日まで毎年実施しています。→ダム湖底の3次元測定
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