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反射シート自動測定データの検証

LMS-Z420i

2006/01/16
株式会社 数理設計研究所 名倉 裕

 レーザースキャナ、リーグル LMS-Z420i を、添付ソフトウェア RiSCAN PRO で制御。
 反射シート抽出、反射シートだけの巡回測定、座標計算、座標マッチングを自動で行う。
 自動制御の結果はどんなものか、簡単な検証を試みた。

反射シート設置

 直径5cmの反射シートを河川敷の広場に、距離50mおきに数個設置した。
 自動巡回測定したのは50m地点に設置した1つだけ。レーザースキャナから一直線に並んだ他の反射シートは自動巡回測定せず、全体を詳細測定した。
 
 ここでは自動巡回測定した距離50m反射シートのデータに注目する。 反射シートをブックエンドに貼って地面に置いた。反射シートは測量に使われる高反射率のもの。(写真1)

ミラーの動作モード

 回転ミラー型レーザースキャナ LMS-Z420i のミラーの動作は回転モードと揺動モードがある。狭い範囲を小刻みに測定するのは揺動モード。ミラーの1面だけを使い、上下に揺れながらレーザービームの向きを変えて測定する。
 反射シートのように小さな対象は、揺動モードになる。揺動モード独特のレーザービームの軌跡が現れた。


写真1 測定対象の反射シート
ブックエンドに貼って地面に置いた

反射強度図

 測定角度ステップは縦横ともに0.004°。縦横74個のデータがある(図1)。
 反射強度が大きい反射シートとブックエンドは白くくっきりとわかる。その周囲が黒いのは何か。周囲の地面より反射強度が低く、距離はブックエンドにほぼ等しい。
 
 上下にトゲのようになったデータから、1ラインおきに上下にずれているのがわかる。縦ラインを下向き上向き交互に測定した結果だ。上向きスキャンと下向きスキャンの隣りあったデータは、垂直角がだいぶ違うらしい。揺動モードの特質だ。
 

図2 実測データ 角度分布図 →拡大
横軸:水平角(deg. 真後ろを0)
縦軸:垂直角(deg. 天頂を0)

図1 反射シート・データ 反射強度図
縦横それぞれ測定順に並べた

角度移動の軌跡

 レーザービームの軌跡、測定データの水平角、垂直角を図化した(図2)。1ラインおきに、垂直角度範囲がずれているのがわかる。上端は6点以上(0.02°くらい)、下端は10点以上(0.05°以上)。水平角はところどころ大きくずれている。
 仕様の「最小分解能 0.01°」の範囲には収まっている。

 
拡大
図3 測定点群立面図→拡大
カラーコードは反射強度を示す
 

立面図

 測定データから背景、前景を削除し、反射シートとブックエンドの前後数センチ部分を抜き出した。この点群の反射強度を直交座標系立面図に表した(図3)。
 
 色は反射強度を表す。3色しか使っていないので交互である。
外側から中央に向かって
  • 青:0.1以下
  • 緑:0.1以上 0.2未満
  • 赤:0.2以上 0.3未満
  • 青:0.3以上 0.4未満
  • 緑:0.4以上 0.5未満
  • 赤:0.5以上 0.6未満
  • 青:0.6以上
 メッシュは1cm。

反射シート座標

 中央部、反射強度0.6以上の点群(青色)は、直径がおよそ5cmで、実際の反射シートの大きさ(5cm)に近い。
 この部分の点群の座標値、XYZそれぞれについて平均値を算出した。
51.002
-1.649
-2.252
 (このYZ位置を、図3中に赤線クロスで示した。)
 
 この数値は、RiSCAN PRO が自動計算した値と全く等しい。その周囲もおよそ同心円に近いので、反射強度の選択範囲を少し変えても近い値になる。
 中心位置は±1cmの範囲で決定できそうだ。50mの距離で上下左右1cmは、水平角、垂直角それぞれ0.01°に相当する。多くの目的で必要十分な精度だ。
 
 今回の反射シートは、レーザービームに対してほぼ正面を向き、周囲に紛れるものがない。大きさはたまたま丁度良かった。
 反射シートを斜めに測定するとどうなるか。平面でなければどうか。RiSCAN PRO は、円筒形反射体の中心座標を測定するモードがある。「シリンダー」と指定する。
 
 反射シートを指定すれば、自動的に測定して座標値を算出する。従来、反射体データは、1つづつ測定し、座標値を算出しなければならなかった。
 これが容易になれば短時間で成果を得られる。
 反射シート座標の計算結果が常に良好な値であるために、設置法、距離と適した反射シートの大きさは調べておかなければならない。

輪郭

 反射シールを貼ったブックエンドの外形が、外側の赤点群で現れている。サイズもほぼ一致する。
 それではその外側は何だろうか。
 
 データ点群の厚み(X:距離方向の幅)は、50.95〜51.09mの14cmの範囲にある。前景も背景も入っていない。
 レーザービームがブックエンドに少しかかって背景までの距離が近いと、ブックエンドに近い距離のデータができる事がある。上側に緑部分が少ないのは背景が遠いためか。
 
 しかし外側の緑と青の部分は広すぎる。50mの地点では、レーザービームはせいぜい2cmと考えている。(仕様からビームの広がりは2.5mrad。計算値は 100mで2.5cm。)

 横に5cm以上の広がりは、レーザービームの大きさ、形状からは考えにくい。更に検討する必要がある。

図形式

 私達の周囲には反射体がたくさんある。RiSCAN PRO は、設置した反射体のほかに、キャッツアイ、道路標識、看板なども含めて操作者に見せる。自動巡回測定のため操作者は、RiSCAN PRO に目標とする反射体を指示しなければならない。
 この時表示される図は図1の形式と同じ、測定順にデータを配置した図だ。水平角を横軸、垂直角を縦軸にした立面図が、景色とデータを比べるには便利だ。
 RiSCAN PRO には3D表現する方法があるが、野外では使いにくい。3Dでなくて良いから一工夫欲しい。
 
 野外では、パソコンの液晶画面は見にくい。画面輝度の高いパソコンを選ぶ、傘、布地で覆いをする、など工夫できるが、より見やすいソフトウェアを期待したい。

 測定:(有)和泉測量
 レポート:(株)数理設計研究所 名倉裕

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以上