|
|---|
レーザースキャナが地表を「サッ」と測って、地形を3次元座標データ点群として表す道具とは、今は多くの人々が知っています。しかしその詳細さがどのようなものかは、まだあまり知られていません。2005年に収集した、高分解能の測定データがありましたので紹介します。
ここで使用したレーザースキャナ、RIEGL LMS-Z420i(以下、Z420i)は、現在でも、最も詳細に、長距離を測定できる装置の1つです。
200m以下を測る近距離測定用レーザースキャナがいくつか市販されています。これらの精度は、Z420iより優れています。しかし野外の地形測定だけでなく、遠方の目標、広範囲の測定では、500m以上を測る長距離型は、とても使いやすいものです。とても広い範囲で測定地点を選べるなど、運用が容易なためです。
高速で詳細な測定ができる特性は、地形、構造物の変化を把握するためにも使われます。広範囲の長期間変化の観測、数時間から数日間の連続観測や、範囲を狭めたり分解能を下げて、1回の測定時間を短くした連続観測ができます。1ラインだけ測定する、毎秒数回の測定さえ可能です。レーザースキャナは、レーザープロファイラとも呼ばれますが、用途は単純な形状測定に留まらないので、私達はレーザースキャナと呼びます。
この測定は、Z420iと、その制御ソフトウェア RIEGL RiSCAN Proで、反射シートをどれほど正確に測れるかを試す実験測定です。このため、比較的広い範囲を最高分解能で測定しました。普段の測定では、広範囲を最高分解能で測定するのは稀です。分解能を高めるほどに時間がかかるため、適度な分解能で複数地点から測定して、地形の全容を得ます。
参照 → LMS-Z420i 試験測定記
測定対象国道17号線が渋川市で利根川を渡る、阪東橋。川は左岸を削って流れ、右岸は高水敷に広場がある。 広く反射シートを配置するのに、ちょうど良い。 写真は、測定位置付近から撮影した。 ここで使ったデータは、この写真の範囲とほぼ同じ。 (国土地理院 1/25000地形図 渋川(宇都宮)) |
|
![]() |
設置右岸、橋の下流側にレーザースキャナを設置した。橋の形状取得が目的ではないので、一ヶ所だけの測定。 |
| 測定対象 | 群馬県渋川市 利根川 阪東橋(国道17号線) |
| 日付 | 2005/12/21 |
| 測定者 | (有)和泉測量、(株)数理設計研究所 名倉 |
| レーザースキャナ | RIEGL LMS-Z420i |
| ソフトウェア | 制御 RIEGL RiSCAN Pro |
| データ処理 MAD3D, AutoCAD |
以下の図は、RIEGL RiSCAN Proでテキストファイルに出力し、DXF-CAD形式に変換して、AutoCADで作図しました。(データ変換、不要範囲の削除、等は、MAD3Dに拠る)
![]() |
トラス全体側面図橋脚、対岸遠方データを除いた後の形を側面図で表した。左側が右岸。 →PDF(3.5MB) |
![]() |
トラス鳥瞰図右岸から50m付近のトラスを拡大した鳥瞰図。右岸川下側上空視点。 →PDF(9.2MB) トラス構造が欠けているのは、手摺などに遮られたため。 下から見上げた1点からの測定。 桁はすべて下部構造だけ表れている。 |
![]() |
注目部鳥瞰図次に、トラスの2ヶ所のデータ密度を見る。この部分の鳥瞰図。 →PDF(0.8MB) |
トラス上部のデータをCADで表しました。それぞれの図をクリックすると、PDFファイルが表示されます。ここまで拡大してようやく、点の1つ1つが見えます。
橋の下からの測定なので、歩道や手摺に遮られて欠けた部分があります。充分なデータ密度があるので、トラス各面に垂直の方向に変形があれば、再度測定してミリ単位で検出可能と考えられます。
![]() |
側面図トラス結合部を横から見た図。垂直面のデータ密度は、35点/100cm2。 レーザー光の入射角が小さいので、密度も小さめ。 平均約2cm間隔のデータができた。 →PDF(0.8MB) |
![]() |
正面図道路の方向に見た図。トラスの傾斜した柱のデータ密度は、92点/100cm2。 平均約1cm間隔のデータ。 →PDF(1MB) |
![]() |
平面図H鋼が重なってトラスを構成している。データ密度計算は、それぞれの表面だけを計算した。 →PDF(0.6MB) |
データ密度表示用 原データ AutoCAD 2000LT 出力 DXFファイル(17.9MB)
以上 ↑ ページトップへ