MAD3D Topへ (株)数理設計研究所Topへ 目次
  1. レーザースキャナ・データの詳細さ
  2. 測定概要
  3. 全体像
  4. トラス部
  5. データ密度

レーザースキャナのデータ密度
利根川阪東橋測定データ

記 2008/05/20 株式会社 数理設計研究所 名倉 裕 

1.レーザースキャナ・データの詳細さ

 レーザースキャナが地表を「サッ」と測って、地形を3次元座標データ点群として表す道具とは、今は多くの人々が知っています。しかしその詳細さがどのようなものかは、まだあまり知られていません。2005年に収集した、高分解能の測定データがありましたので紹介します。
 ここで使用したレーザースキャナ、RIEGL LMS-Z420i(以下、Z420i)は、現在でも、最も詳細に、長距離を測定できる装置の1つです。

 200m以下を測る近距離測定用レーザースキャナがいくつか市販されています。これらの精度は、Z420iより優れています。しかし野外の地形測定だけでなく、遠方の目標、広範囲の測定では、500m以上を測る長距離型は、とても使いやすいものです。とても広い範囲で測定地点を選べるなど、運用が容易なためです。

 高速で詳細な測定ができる特性は、地形、構造物の変化を把握するためにも使われます。広範囲の長期間変化の観測、数時間から数日間の連続観測や、範囲を狭めたり分解能を下げて、1回の測定時間を短くした連続観測ができます。1ラインだけ測定する、毎秒数回の測定さえ可能です。レーザースキャナは、レーザープロファイラとも呼ばれますが、用途は単純な形状測定に留まらないので、私達はレーザースキャナと呼びます。

2.測定概要

 この測定は、Z420iと、その制御ソフトウェア RIEGL RiSCAN Proで、反射シートをどれほど正確に測れるかを試す実験測定です。このため、比較的広い範囲を最高分解能で測定しました。普段の測定では、広範囲を最高分解能で測定するのは稀です。分解能を高めるほどに時間がかかるため、適度な分解能で複数地点から測定して、地形の全容を得ます。
 参照 → LMS-Z420i 試験測定記

測定対象

国道17号線が渋川市で利根川を渡る、阪東橋。
川は左岸を削って流れ、右岸は高水敷に広場がある。
広く反射シートを配置するのに、ちょうど良い。
写真は、測定位置付近から撮影した。
ここで使ったデータは、この写真の範囲とほぼ同じ。
(国土地理院 1/25000地形図 渋川(宇都宮)

設置

右岸、橋の下流側にレーザースキャナを設置した。
橋の形状取得が目的ではないので、一ヶ所だけの測定。
測定対象 群馬県渋川市 利根川 阪東橋(国道17号線)
日付 2005/12/21
測定者 (有)和泉測量、(株)数理設計研究所 名倉
レーザースキャナ RIEGL LMS-Z420i
ソフトウェア 制御 RIEGL RiSCAN Pro
データ処理 MAD3D, AutoCAD

3.全体像

測定データを、レーザー光反射強度で表した。
(RIEGL RiSCAN Pro に拠る作図)
  • 青色は、水面か空で、データが無い部分。
  • 下部の青色部分は水面。レーザー光が乱反射せず、測定できない。
  • 橋脚は水面に映り、橋脚下部(水面下)に虚像ができている。
測定点数 15,105,540
縦点数 4,645
横点数 3,252
横角度範囲 32.51 deg
縦角度範囲 46.44 deg
測定ステップ角度 0.01 deg
測定時間 20分42秒
距離範囲 20〜300m

4.トラス部

 以下の図は、RIEGL RiSCAN Proでテキストファイルに出力し、DXF-CAD形式に変換して、AutoCADで作図しました。(データ変換、不要範囲の削除、等は、MAD3Dに拠る)

トラス全体側面図

橋脚、対岸遠方データを除いた後の形を側面図で表した。
左側が右岸。 →PDF(3.5MB)

トラス鳥瞰図

右岸から50m付近のトラスを拡大した鳥瞰図。
右岸川下側上空視点。 →PDF(9.2MB)
 
トラス構造が欠けているのは、手摺などに遮られたため。
下から見上げた1点からの測定。
桁はすべて下部構造だけ表れている。

注目部鳥瞰図

次に、トラスの2ヶ所のデータ密度を見る。
この部分の鳥瞰図。 →PDF(0.8MB)

5.データ密度

 トラス上部のデータをCADで表しました。それぞれの図をクリックすると、PDFファイルが表示されます。ここまで拡大してようやく、点の1つ1つが見えます。
 橋の下からの測定なので、歩道や手摺に遮られて欠けた部分があります。充分なデータ密度があるので、トラス各面に垂直の方向に変形があれば、再度測定してミリ単位で検出可能と考えられます。 

側面図

トラス結合部を横から見た図。
垂直面のデータ密度は、35点/100cm2。
レーザー光の入射角が小さいので、密度も小さめ。
平均約2cm間隔のデータができた。
 →PDF(0.8MB)

正面図

道路の方向に見た図。
トラスの傾斜した柱のデータ密度は、92点/100cm2。
平均約1cm間隔のデータ。
 →PDF(1MB)

平面図

H鋼が重なってトラスを構成している。
データ密度計算は、それぞれの表面だけを計算した。
 →PDF(0.6MB)

データ密度表示用 原データ AutoCAD 2000LT 出力 DXFファイル(17.9MB)

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