-
ギンサウゴン(Guinsaugon)
-
十字架
2つの南北に走る山脈に挟まれた水田地帯。そこを流れる川の左岸の道沿いに遡ってしばらく行くと集落がありました。「←Guinsaugon」の看板。左折して川原に出ると、巨大な十字架がありました。日本なら供養塔でしょうか。場違いのようですが気持ちだけでも、と線香を供えました。
ここが調査期間中の集合地点になります。
-
景色
川の向こうに見える景色は、報道写真そのまま。地図や写真をしつこく眺めてきたので、初めてのような気がしません。堆積土砂は対岸の向こうにありました。連なる土塁のように。なんと平たく広いのでしょう。
崩壊地はしっかりと姿を見せました。源頭部の尾根は雲に隠れているものの、斜面はモヤがかかりながらはっきりと見えます。これなら寄れば測定できる筈。雨は持続しないらしい。大丈夫、と思えました。
-
渡渉
崩壊地は川の右岸側です。左岸の村から重い測定資材を持って、どうやって川を渡るか。当所からの課題でした。
「ブルドーザに乗せるよ、渡るよ」と運転手が言ったのかどうか。そのバケットに乗って渡る事になりました。これで課題の1つはクリア。結局ここを渡ったのはこの日だけでした。
後で見れば、兵士はもちろん、子供たちさえもも平気で徒歩で渡っていました。子供たちはよく川で遊んでいました。大人も子供も体格は小さく、小学校低学年と見える子供に年を聞けば「Twelve」と答えました。
-
堆積地を歩く
田んぼの中にできた道は、水溜りはあるものの歩きやすく、土塁が近づいてきます。堆積した土の上は、どんどん歩けます。救助作業の跡でしょう。固く締まっています。ところどころ柔らかく、足が沈みますが、案外普通に歩けます。この様子なら、少なくとも崩壊部のすぐ下まで行ける。そうすれば崩壊部の手前半分は測定できます。
天気はチャンスをくれそう。川は渡れる。足場は悪くなく歩き回れる。データなしで帰る心配はもう、しませんでした。数理設計のグループでは私だけ先行。崩壊地へどんどん近づきました・。
-
高みで作戦立案
堆積地を奥へ進むと凹凸がはげしく、凹部は水と泥が多くなりました。3〜5mくらいの土山に登ると、もう測定を始めたくなります。崩壊地は全体に平らで、小高いところは見通しが良いのです。
半ばまで進んで、後を待ちました。ここまで来ると、日本で見てきたどの写真より崩壊地の姿が良くわかりました。そして新井場さんと簡単な作戦計画。
・右手の小高い丘から、まず測ろう。
・崩壊地内左手の棚からも測ろう。
・遠いけれど、中央の高い所から測れると絶対良い。
など。しかしこの時、実際にこれらの測定地点にたどり着けるかどうかはわかっていません。
Guinsaugonはほんとうに堆積土砂に埋め尽くされてしまった集落。足元には多くの人々が埋もれている筈でしたが、堆積地が広大で乾いていたためか、暗い心に覆われずに過ごせました。
-
十字架に戻って
川辺に戻る途中でにわか雨。すぐ止んだものの、川にブルドーザの姿はなく、さて歩いて渡るのかと思案していたら、おじさんが現れて「おい、渡りたいのか」と言う風情。4輪駆動のバンで何度も往復しながら皆を渡してくれました。
戻って話を聞くと
・崩壊地に行くには、上流にある橋まで車で行って、あとは徒歩が良いらしい。
・右岸側は下流から行けるが、崩壊地までの道は容易かどうかわからない。
上流の橋を渡って崩壊地に入るのが無難らしいので、明日、まずは右手の小高い丘から測定する事に決めました。
あとはモヤ。どこまでクリアに晴れるでしょう。レーザースキャナの有効距離は、モヤの濃さに大きく左右されます。
|

ギンサウゴンの川原に立つ十字架

川を渡るブルドーザ
堆積地は踏み固められて道ができた所も

堆積地中央から見た崩壊地

川を渡る4輪駆動車

右手の三角形の丘から最初の測定
堆積地上から撮影 |