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レイテ島地すべり測定記−3
3月21日
現地(Guinsaugon)へ

(1) フィリピンへ
(2) マニラの一日


(3)現地(Guinsaugon)へ
  1. マニラからタクロバン
  2. タクロバンからセント・バーナード
  3. セント・バーナード
  4. ギンサウゴン
(4) 堆積地を一望の下に
2006/04/24 株式会社 数理設計研究所 名倉 裕 

 いよいよ現地へ向かいます。

  1. マニラからタクロバン(レイテ島)

     6時マニラ空港発タクロバン行きのため、4時にはホテルを出発。
     朝飯は空港で大きな肉まんを分けて食べ、穏やかな飛行でレイテ島北部、タクロバンに到着しました。
     
  2. タクロバンからセント・バーナード(St.Bernard)

     レイテ島北部のタクロバンから南部のセント・バーナードまでは陸路4時間余。最短路は道路が崩壊して使えず、少しまわり道でした。東岸を南下して内陸を横断、西岸へ出て海岸伝いに走ると、宿泊地のソゴド(Sogod)。ソゴドから南に突き出た岬の手前を横切って、セント・バーナードまで約1時間。測定期間中は毎日通う道です。セント・バーナードからは現地Guinsaugonまで数キロです。 

     タクロバンで晴れていた天気は、内陸に差しかかる頃には雨になりました。
     今回の測定の命運を握る天気に少々鬱々としながら行くと、西岸に出る頃には雨はあがり、晴れてきました。天気が変わりやすいのだと思えば気分は楽です。ずっと降り込められる事はないだろうと思い直しました。
     ソゴドを過ぎると、崩壊地のある山々の反対側の斜面が見えます。尾根には雲がかかって、写真で見慣れた「万年雲」と思える様子でした。
     
  3. セント・バーナード

     ソゴドとセント・バーナードを隔てて南に突き出た岬の手前を山越えすると美しい海が見え、セント・バーナードに着きました。海に面した町。河口を上流に数キロたどれば崩壊地。雲に覆われながら、もう見えています。セント・バーナード(St.Bernard)は、セント・ベルナルドとも記されていますが、現地での呼び方は確認しませんでした。
     南レイテ州知事が待つ、公民館のような建物に着くと雨。でも穏やかな夕立のような降り方でまもなく止み、空は明るく青空が見えてきました。遠望する崩壊地を覆った雲は薄まって、尾根まで見えはじめました。天に歓迎された気分です。
     ここでご飯に魚に・・・、といったセルフサービスの昼飯をご馳走になりました。南国の食事は辛い、という事もなく、穏やかな味付けでおいしくいただきました。セレモニーはお任せして外で待機。ぶらぶらと歩きながら、晴れていく崩壊地の山々を眺めました。
     発電機を用意していただける事になり、必要に応じてお願いする事にしました。どこで何が必要になるか、まだまだ見当がつかないのです。
     

 雨が上がって姿を見せた山々
セント・バーナードから撮影
  1. ギンサウゴン(Guinsaugon)

    • 十字架

       2つの南北に走る山脈に挟まれた水田地帯。そこを流れる川の左岸の道沿いに遡ってしばらく行くと集落がありました。「←Guinsaugon」の看板。左折して川原に出ると、巨大な十字架がありました。日本なら供養塔でしょうか。場違いのようですが気持ちだけでも、と線香を供えました。
       ここが調査期間中の集合地点になります。
       
    • 景色

       川の向こうに見える景色は、報道写真そのまま。地図や写真をしつこく眺めてきたので、初めてのような気がしません。堆積土砂は対岸の向こうにありました。連なる土塁のように。なんと平たく広いのでしょう。
       崩壊地はしっかりと姿を見せました。源頭部の尾根は雲に隠れているものの、斜面はモヤがかかりながらはっきりと見えます。これなら寄れば測定できる筈。雨は持続しないらしい。大丈夫、と思えました。
       
    • 渡渉

       崩壊地は川の右岸側です。左岸の村から重い測定資材を持って、どうやって川を渡るか。当所からの課題でした。
       「ブルドーザに乗せるよ、渡るよ」と運転手が言ったのかどうか。そのバケットに乗って渡る事になりました。これで課題の1つはクリア。結局ここを渡ったのはこの日だけでした。
       
       後で見れば、兵士はもちろん、子供たちさえもも平気で徒歩で渡っていました。子供たちはよく川で遊んでいました。大人も子供も体格は小さく、小学校低学年と見える子供に年を聞けば「Twelve」と答えました。
       
    • 堆積地を歩く

       田んぼの中にできた道は、水溜りはあるものの歩きやすく、土塁が近づいてきます。堆積した土の上は、どんどん歩けます。救助作業の跡でしょう。固く締まっています。ところどころ柔らかく、足が沈みますが、案外普通に歩けます。この様子なら、少なくとも崩壊部のすぐ下まで行ける。そうすれば崩壊部の手前半分は測定できます。
       天気はチャンスをくれそう。川は渡れる。足場は悪くなく歩き回れる。データなしで帰る心配はもう、しませんでした。数理設計のグループでは私だけ先行。崩壊地へどんどん近づきました・。
       
    • 高みで作戦立案

       堆積地を奥へ進むと凹凸がはげしく、凹部は水と泥が多くなりました。3〜5mくらいの土山に登ると、もう測定を始めたくなります。崩壊地は全体に平らで、小高いところは見通しが良いのです。
       半ばまで進んで、後を待ちました。ここまで来ると、日本で見てきたどの写真より崩壊地の姿が良くわかりました。そして新井場さんと簡単な作戦計画。
       ・右手の小高い丘から、まず測ろう。
       ・崩壊地内左手の棚からも測ろう。
       ・遠いけれど、中央の高い所から測れると絶対良い。
       など。しかしこの時、実際にこれらの測定地点にたどり着けるかどうかはわかっていません。
       
       Guinsaugonはほんとうに堆積土砂に埋め尽くされてしまった集落。足元には多くの人々が埋もれている筈でしたが、堆積地が広大で乾いていたためか、暗い心に覆われずに過ごせました。
       
    • 十字架に戻って

       川辺に戻る途中でにわか雨。すぐ止んだものの、川にブルドーザの姿はなく、さて歩いて渡るのかと思案していたら、おじさんが現れて「おい、渡りたいのか」と言う風情。4輪駆動のバンで何度も往復しながら皆を渡してくれました。
       
       戻って話を聞くと
      ・崩壊地に行くには、上流にある橋まで車で行って、あとは徒歩が良いらしい。
      ・右岸側は下流から行けるが、崩壊地までの道は容易かどうかわからない。
       
       上流の橋を渡って崩壊地に入るのが無難らしいので、明日、まずは右手の小高い丘から測定する事に決めました。
       あとはモヤ。どこまでクリアに晴れるでしょう。レーザースキャナの有効距離は、モヤの濃さに大きく左右されます。

ギンサウゴンの川原に立つ十字架

川を渡るブルドーザ
堆積地は踏み固められて道ができた所も

堆積地中央から見た崩壊地

川を渡る4輪駆動車

右手の三角形の丘から最初の測定
堆積地上から撮影

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