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データの切り出し

- 3Dレーザースキャナ・データ処理 -   2004/10/16 (株)数理設計研究所 名倉裕


 「不要なデータ点を削除して必要な点を残す」
 レーザースキャナ測定データを処理する最初の一歩です。

● データ切り出し/削除の必要性

 高速スキャナは、必要範囲の外側も測定範囲に含める事が多いため、半数以上のデータ点群が不要です。
 測定地点の近傍は特にデータ密度が高くて、一部を除いて使いません。これを除くとデータ点数は半減します。
 遠景も不要な範囲が多く、データ処理、観察の邪魔になります。 

● 例

橋の上から川原を測定しました。
拡大図
左図は、データ点群の平面図です。
(色は標高:低=赤→黄→緑→青=高)
拡大図

赤い部分が川原を示していますが、どこが何とは分かりにくくなっています。

全データ点数、約400万点。
測定地点近傍10m以内: 約163万点(橋上)。
左図は、橋、川沿いの建物、遠景を削除した川原だけのデータ平面図です。。
データ点数 123万点。
拡大図

この間の操作は、Z座標(相対標高)-3m以上を削除しただけです。

● 切り出し道具

 不要部を除くとデータ点は減って、見やすく、扱いやすくなります。
 このために必要な道具の機能は次の通りです。

  1. X、Y、Z、各軸の最小値、最大値の設定と設定範囲外の削除。
  2. 距離(R)、水平角(φ)、垂直角(θ)、各要素の最小値、最大値の設定と設定範囲外の削除。
  3. X、Y、Z、各軸周りの回転。
  4. X、Y、Z、各軸に沿った移動。

 以上の機能は、MAD3Dシステム、File3D.exe で実現しています。(上図は Fike3D.exe に拠る)
 最も多く使うユーティリティ・ソフトウェアです。
 機能4 は、データの切り出しではあまり使いません。主にデータ座標合成で使います。

 「多角形で範囲を設定して、その外(又は内)を削除する」という機能はありません。
 ですから、斜めに切るのは図を回転させて切ります。
 多角形の範囲設定は、凹凸多角形で実現したい機能です。

● 不要範囲のデータ

 不要なら測定時に範囲を狭く設定すれば良い。
 後で削除するより効率的で、測定時間も短くできます。

 なぜ範囲外まで測定するか。
 範囲外のデータが基準点に使えるからです。 

 複数の地点から測定すると、測定地点の数だけ座標系ができます。
 座標系はレーザースキャナを原点とした、測定毎に固有の座標系です。
 測定後、座標を一致させて単一座標系のデータを作るために、基準点が必要です。
 基準点は複数の測定地点から見えなくてはならず、1つの測定地点当たり3ヶ所以上を必要とします。
 測定対象内だけでは、この条件を満たすのは容易でなく、範囲外までデータがあると容易になります。

 ですから、測定対象を解析するために削除されたデータ点群は、座標合成のために注目され、活用されます。基準点の切り出しにも、File3D.exe を活用します。


以上