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大型地形模型を切削する(2)
フライス盤の操縦

2008/02/06 - 02/15
(株)数理設計研究所 名倉 裕
目次
  1. 始まり
  2. フライス盤の操縦
  3. 20cm模型を切削
  4. 切削データの作成
  5. 60cm四方浅間山地形の切削
  6. 1m四方浅間山地形の切削
 ページ内目次
  1. 木工用フライス盤 3次元加工の可能性
  2. Gコード入力
  3. 試運転

1.木工用フライス盤 3次元加工の可能性

 数理設計研究所には、MIMAKI NC-5Sという3軸モデリングマシンがあります。私は地形データを提供した事はありますが、Gコードを最初から最後まで書いたことはありません。NCマシンは、20年以上前、機械加工の会社に勤めていた時以来、時折関わる機会がありましたが、深い経験はありません。

 大永ドリームのNCフライス盤は、SHINX というメーカーのものです。板を切り出すのに便利な道具ですが、3次元曲面加工には便利にできていませんでした。大永ドリームでは通常、操作メニューから「自動プログラム」というモードを選んで操作しています。図形入力方式で、ガイドに従って操作すれば、加工データができあがります。CADから出力したDXFファイルは読めますが、Z軸のデータを読みません。垂直方向のデータは、ソフトウェア上で指定しなければなりません。
 地形を切削する時、複雑で膨大な量のデータの1つ1つにZ値を設定するのは、現実的ではありません。なんとかZ値を読ませられないか、とも考えましたが、もう1つの方法を採る事にしました。


制御画面例 手動操作画面

2.Gコード入力

 DXFデータにZ値を加えたデータは、NC加工用のGコードという、数値制御機器では標準的な機械言語に変換されます。このGコードが機械を動かします。外部で作成したGコードを、制御用ソフトウェアに読ませられれば、NCを制御して3次元形状を切削できます。
 取扱説明書を読む内に、メインメニューの「自動運転」を選択すると、外部のテキストファイルを読める事に気がつきました。Gコードで書いたプログラムは、数里設計研究所の玉置が、NCフライス盤を使うため作ったものが多くあります。早速、読ませてみました。しかし「***が足りない」「***がおかしい」といったメッセージが表示されます。何かが足りないようです。

 通常使っている「自動プログラム」モードでは、できあがったGコードが見られます。Gコードで板を加工する時、座標データの前に設定コードがたくさん並んでいるのが見えます。電話でメーカーに聞いたところ、G コードの最初にマクロを設定するのだそうです。刃物毎の設定値を含むらしく、この部分はメーカーがユーザーの注文によって作成するのだそうです。そうも言っておれないので、更に聞いたら、「自動プログラム」モードのG コードを参考にして作ってほしいとの事でした。右がGコードのヘッダ部です。

T5
G65 P9200 L1
M95
G218 G53
M105
G90 G00 Z 0.000 M189
M128
G219
T5
M99
M06
G53
G90 G00 Z 0.000
M92
T5
G65 P9000 L1
G219
T5
M99
M93
S6000
G04 X2.0
G61
自動プログラムのヘッダ部例

 G65で示されるのがマクロをコールしている部分で、加工を実行する時には、マクロの中身まで表示してくれます。単純な形を加工する、簡単なヘッダは右の通りでした。

M06
G53
G90 G00 Z0.000
M92
T5
G65 P9000 L1
M93
S6000
G04 X2.0
自動プログラムの簡単なヘッダ部

 ヘッダをそのまま頭に付加して、最後に右終了コードを付加しました。
 
 加工する座標データは、Gコードの「G01」コマンドの連続です。これが4万行余り続きます。これは国土地理院の50mメッシュ数値地図から浅間山の部分を取り出して、その座標値をGコードのフォーマットに仕立て上げたものです。変換ソフトウェアは自製です。

M05
M02
トレイラー部

 加工する座標データは、Gコードの「G01」コマンドの連続です。これが4万行余り続きます。これは国土地理院の50mメッシュ数値地図から浅間山の部分を取り出して、その座標値をGコードのフォーマットに仕立て上げたものです。変換ソフトウェアは自製です。
 
 こうしてヘッダ、本体、トレイラーを組み合わせて作ったテキストファイルを、制御用ソフトウェアに入れる事にしました。「自動運転」モードにして、ファイル名を指定すると、読みました。エラーメッセージは出ませんでした。

G01 X153.000 Y199.000 Z26.720 F300
G01 X152.000 Y199.000 Z26.760 F300
G01 X151.000 Y199.000 Z26.800 F300
G01 X150.000 Y199.000 Z26.800 F300
G01 X149.000 Y199.000 Z26.680 F300
G01 X148.000 Y199.000 Z26.720 F300
G01 X147.000 Y199.000 Z26.760 F300
G01 X146.000 Y199.000 Z26.880 F300
G01 X145.000 Y199.000 Z26.960 F300
G01 X144.000 Y199.000 Z26.980 F300
G01 X143.000 Y199.000 Z27.000 F300
G01 X142.000 Y199.000 Z27.000 F300
加工座標データ

3.試運転

 Gコードを読ませたら、思い通りに切削してくれるかどうかを試す事にしました。Gコードの1ステップづつを実行できますから、最初から1ステップづつ実行して、コマンドの意味も理解しようと考えました。標準的なGコードの意味は調べましたが、メーカーによって個性的な意味を設定できるコマンド番号があるようです。 

 エンドミルがセットされ、主軸が回転を始めました。しかしXY値がおかしいようです。奥右端の原点から出てきません。中断して、「自動プログラム」モードで動くGコードを見ました。座標地は全てマイナス値になっています。ヘッダがそのように設定しているのでしょうか。

 それならばと、XY値をマイナス側に設定しました。エンドミルの高さ位置は良さそうなので、Z値はそのままにしました。そしてGコード1行づつ動作させると、動きました。それらしく、浅間山をなぞるように動きました。それならばと、1m×3mあるテーブルの手前まで来るよう、マイナス値に一定の値を加えました。右は、こうして作った座標データの一部です。

 これで、エンドミルを3次元座標で操縦して、切削する事が可能になりました。切削条件、エンドミルの回転数、切削送り速度などは、素材が発泡プラスチックですから、神経質になる事はなかろうと、少ない経験から考えています。
G00 Z50.000
G01 X-1100.000, Y-2700.000, Z38.620 F3000
G01 X-1097.000, Y-2700.000, Z38.760 F3000
G01 X-1094.000, Y-2700.000, Z38.860 F3000
G01 X-1091.000, Y-2700.000, Z37.560 F3000
G01 X-1088.000, Y-2700.000, Z38.580 F3000
G01 X-1085.000, Y-2700.000, Z39.180 F3000
G01 X-1082.000, Y-2700.000, Z39.340 F3000
動作した座標データ(部分)

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