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大型地形模型を切削する(5)
60cm四方浅間山地形の切削

2008/04/21-05/03
(株)数理設計研究所 名倉 裕
目次
  1. 始まり
  2. フライス盤の操縦
  3. 20cm模型を切削
  4. 切削データの作成
  5. 60cm四方浅間山地形の切削
  6. 1m四方浅間山地形の切削
 ページ内目次
  1. 60cm四方の地形モデル
  2. 切削
  3. 傷跡
  4. 再仕上切削
  5. 切削条件

1.60cm四方の地形モデル

 本番の浅間山地形模型は、まず60cm模型から始めることにしました。1m模型より60cmを先に始めたのは、次の理由があります。
  • 失敗は小さく、取り返しがつくよう。
    1m模型で失敗すると、材料が足りなくなるかもしれません。そうでなくとも硬質発泡ウレタン材は高価です。
     
  • ボールエンドミルの太さの適切さを確認
    20cmモデルは6mm径のボールエンドミルで切削しました。同じ径で切削したかったのですが、長いものがありません。深く掘るには長いエンドミルが必要で、12mm径ならチャック下面から先端まで90mmのものがありました。太いエンドミルは細部を損なわないかと懸念がありましたが、その時は細いエンドミルを買ってきて再切削すれば良い、と判断しました。
     
  • 貼り合わせ無し
    90mm長さのエンドミルでも、実際にどこまで深く掘れるか分かりません。チャックが山頂に当たらなくても、タレットガードや、本体下部が触れるかもしれません。標高差100mm以下の60cm模型なら可能と見当がつきます。上下2部分に分けて切削したものを張り合わせる必要がなく、容易に完成できます。

硬質発泡ポリウレタン素材。
2m×1m×20cm。

2.切削

 およそ70cm四方、厚さ20cmの硬質発泡ポリウレタンを、厚さ 11cmに削りました。フライス盤に吸着、固定したいのですが、案外固くて、反り返って吸着しません。中央部に体重をかけると、軽く固定されますから、周囲をマスキングテープでシールしました。
 反り返った面を平らに切削すれば良かったのですが、常識に乏しい素人は、その時気がつきませんでした。

 切削は2段階で行いました。全て断面方向に切削します。等高線に沿った切削はしません。

  1. 粗切削
    エンドミルの刃長分(約30mm)だけ、掘り下げながら形を作ります。
    断面線間の距離は粗く、7mmとしました。
    両方向からジグザグ切削です。
     
  2. 仕上切削
    1mmづつ送りながら切削します。単方向切削です。夜間放置したままでしたが、6時間半かかりました。

粗切削中。30mmづつ掘り下げる。
Y方向 7mmずつ送る。

3.傷跡

 仕上がった浅間山には、規則的な溝がありました。約14mm間隔の1mm弱の深さ、幅3mmくらい。仕上切削は単方向です。エンドミルが進む方向の、急勾配の上り坂だけの傷です。

 粗切削の断面線間隔は7mmですから、溝間隔の半分です。
 粗切削でできた波板模様の、山の部分を削るとき、切削抵抗が大きくなります。上り坂ではなお大きくなります。ワークを固定する吸着力は小さいので、少し持ち上がったかもしれません。
 粗切削でできた山は7mm毎です。なぜ1つおきなのでしょう。粗切削は両方向加工でした。アップカットとダウンカットで、形状に差ができて、抵抗力に違いがあったのでしょうか。

271828さんのブログから「浅間山の模型を削る(CNCルーター)

浅間山の急斜面の片側だけ、14mm間隔
の溝ができた。深さは1mmもない。

4.再仕上切削

 溝を無くす無くすため、1mm掘り下げる事にしました。原因は粗切削にあると考えたので、また失敗するという心配はあまりしませんでした。単方向切削、エンドミル回転速度12000rpmです。1mm掘り下げるために、昼間の時間をほぼ費やしてしまいました。

 仕上がった模型の表面は、まずまず不満のない仕上がりです。90mmボールエンドミルでも、細部がよく表現されているように見えます。全体の大きさから見て、まずますと言えるでしょう。

 再加工の可能性があるため、タブを残してマーク加工を入れました。硬質発泡ポリウレタンは、試行で使ったスタイロよりキメが細かくて毛羽立ちもなく、仕上がりは良いのですが、高価なのが難点です。2m×1m×20cmで、4万円弱でした。


1mm再切削中

彫り上がった60cm模型全体
この後、周囲を切り離す。

真上から見た火口と周辺

5.切削条件

1.原データ

国土地理院 数値地図 50mメッシュ 車坂峠
浅間山
嬬恋田代
北軽井沢

 上記メッシュ(200×200メッシュ)を接合して400×400メッシュを作成。
 ここから、X=136, Y=79 番目のメッシュを左下として、201×201メッシュを作成。
 縮尺1/16667、一次補間して、加工用 1mmメッシュとした。

2.素材

 硬質発泡ポリウレタン板材 約80cm×約70cm×11cm

3.粗加工

切削後形状 仕上げ加工と同等座標 切削Y送りを粗く設定
最高標高 153.6mm, 最低標高 60.42mm
エンドミル 12mm径ボールエンドミル
チャック下面から先端まで 90mm
切削速度 5.0m/sec
回転速度 6000 rpm
切削方向 X方向に双方向切削
X方向送り 1mm
Y方向送り 7mm
Z方向座標シフト -45mm
1切削最大深さ 32mm
周囲溝加工 あり。幅39mm
Gコード・ファイル F16667-1-B12-2.TXT

4.仕上加工

エンドミル 粗加工に同じ
12mm径ボールエンドミル
チャック下面から先端まで 90mm
切削速度 5.0m/sec
回転速度 6000 rpm
切削方向 X方向に単方向切削
X方向送り 1mm
Y方向送り 1mm
Z方向座標シフト -45mm
1切削最大深さ 制限せず
周囲溝加工 なし
Gコード・ファイル F16667-1-B12-Finish-2.TXT

 再仕上加工は、仕上加工とほぼ同等。下記条件が異なる。


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