MAD3D Topへ → 叶迫攝ン計研究所 Topへ   2007/05/11 -  名倉 裕

地形立体模型の制作

  1. 地形模型を作る
  2. 断面集合模型
  3. 次回作

1.地形模型を作る

 レーザースキャナの測定データから地形模型を作ります。データは私たち自身が測定したもの、あるいは他の方々が測定したもの、又は既存のDEMデータです。太田研究室のモデリングマシンで削り出します。
 コンピュータの画面上で多様な仮想モデルができる今でも、地形の立体模型は興味深いものです。

 模型の長所

  • 道具不要
    見る道具として、パソコンを用意したり、ネットに繋げる必要がありません。
    そこにある模型をそのままに観察できます。
     
  • 操作不要
    あちこちから観察するのに、操作が要りません。操作を覚える必要もありません。
    操作のため、思案を途切れさせる事もありません。
    「ほら、ここのところが・・・」と、簡単に指摘できます。
     
  • 全周から見える
    多人数で同時に、多方向から観察できます。周囲360°から見える3Dディスプレイは、未だ普及していません。

 模型の短所

 反面、コンピュータの仮想モデルが優れる部分は多くあります。
  • かさばる
    大型の地形模型はかさばります。片付ける場所にも困るでしょう。
    私たちは、主にA3用紙サイズくらいの大きさの模型を考えています。硬い表紙をつければ、本棚に収納できますし、携帯も容易です。
    数理設計研究所にあるモデリングマシンが加工できる最大の大きさが、A3用紙くらいだからでもあります。大型の模型は分割して作ります。
     
  • 環境の設定
    光の加減、裏側の観察、極端なズーミングなど、仮想モデルでは容易にできる事が難しいのです。無理ではありませんが、設備が必要です。
     
  • 要素の重ね合わせ
    他の要素(等高線、断面線、構造物、特性線など)の重ね合わせが不自由です。コンピュータ画面上では自在に付加、削除できる要素は、固定したままです。
     
  • 製作時間がかかる
    模型の制作には時間がかかります。刃物で削るのですから仕方がありません。
    しかし仮想モデルも、皆さんにお見せできるような美しいモデルの製作には、案外時間がかかります。
    そして、模型の製作は、案外時間がかかりません。データ作成は実に短時間でできますし、モデリングマシンは常にスタンバイできているからです。
 このように立体模型は器用ではありません。しかし長所には捨て難いものがありますそしてのう1つ、模型を作る時、私たちには良いことがあります。模型のデータを作りながら、地形の特徴を研究できるのです。



数理設計研究所、太田研究室に設置された3軸モデリングマシン MIMAKI NC-5S



地上型レーザースキャナ・データ画像例
動画(68MB)
測定データ点群だけで構成した画像です。静止画、動画とも点数を1/10以下に減らしてあります。
 (宮崎県耳川 塚原ダム下流域)

2.断面集合模型

 2003年11月、茨城県、加波山で、人工降雨による自然斜面崩壊実験が行われました。この時の崩壊前後の形状模型を作りました。当時、少し変わった模型を製作したので紹介します。 

崩壊後形状模型

 地形そのままの1/100模型です。写真は正面上方から撮りました。
 速やかに工作するため、素材は発泡ポリスチレンとしました。色濃く着色した下半分が崩落部です。

断面集合模型

 透明アクリル板を積層して研削した模型です。形状は上の発泡ポリスチレン製と同じです。

断面分解写真

 積層したアクリル板をばらすと、断面が見えます。厚さ2mmのアクリル板は、実寸では20cm毎の断面を表しています。





崩落後の実験斜面
2003/11/14 16:06


測定のため設置したレーザースキャナ
右:RIEGL LPM-25HA-C
左:RIEGL LPM-2K

3.次回作

 今、1つの模型を作ろうと企画しています。かなり広い崩壊地形を表しながら、道、川、人工構造物などを配置してみようと試みています。
 6月頃にはお見せできるでしょうか。

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