ひとつ前へ  叶迫攝ン計研究所Topへ   記述責任者名倉 裕 目次

地上型レーザースキャナの勧め

  1. 地上型レーザースキャナ測定の特性
  2. 動体からの測定
  3. レーザースキャナの種類
  4. お勧め
2006/07/17 株式会社 数理設計研究所 名倉 裕

 

1.地上型レーザースキャナ測定の特性

要請に即応できる

 レーザースキャナは三脚に載せて測定します。
 通常オペレータ1人、監視者1人の2人組。基準点等の測量が必要であれば、この2人が測量するか、別途人員を追加します。レーザースキャナ機器一式と測量機器一式は車1台に収まります。この身軽さから、測定の要請があればすぐ出かけられ、現地では20〜30分で測定を始められます。
 雨天、夜間を問わず測定できるのも、即応できる条件です。天候の急変をものともしません。災害調査、地形の初期調査に適しています。

分解能の高さ

 「500m先の対象を最小30cm間隔で測定」というのは難しい事ではありません。右上の図「河川測定」のデータがほぼこれくらいです。 
 → 地上型レーザースキャナの精度と分解能の検討:2007年砂防学会研究発表概要原稿

自動測定

 一度設定すれば、終わるまで自動測定です。同じ条件で繰り返し測定もできます。

小変位の検出

 地上型レーザースキャナは測定機器の姿勢、位置センサを必要としません。測定誤差はレーザースキャナ測定が本来内蔵する誤差だけです。
 連続繰り返し測定した地形データの差分から、測定対象の地形全体、あるいは部分の変位を検出します。500m先の対象の3〜4cmの変位は容易に検知しますが、1cm以下の変位も検知可能と考えています。
 分単位から年単位まで、変位の測定、差分検出は地上型レーザースキャナの利用をお勧めします。
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河川測定 300万個以上の点群で表す河川。 操作は1人、測定時間15分。

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フル装備で現地へ レーザースキャナ、パソコン、発電機、反射ターゲット、他諸々、測量道具も入れて3人乗って1台の車。
ダム湖底の3次元測定」の一場面。
朝、依頼を受けて午後の早い時刻に測定準備完了。雨の中、昼夜連続の測定。(LMS-Z420i)
他方ではLMS-Z210で連続測定。


データ点群図 データ数は間引いてある。 → 動画(68MB)

2.移動体からの測定

 レーザースキャナは、航空機、船、自動車に載せて運用できます。2000年三宅島噴火、2004年新潟県中越地震では、広大で立ち入りが困難な地域を航空機搭載レーザーが測定して広く知られました。しかし現在の移動体測定は、測定機器の位置、姿勢を知るためのセンサーが必要です。地上設備が必要な事もあります。更に天候、時刻に左右されます。身軽でも即応的でもないのです。
 固定設置の地上型レーザースキャナは、精度、分解能ともに上回ります。航空レーザー測定より1桁上でしょう。

 広大な地域や、立ち入れず、レーザー光も届かない地域の測定は、航空測定が最適です。レーザー光が届く範囲は地上からの測定が有利です。連続測定しながら小さな変位を求める方法は、地上測定ならではです。

3.レーザースキャナの種類

 数理設計研究所が使うレーザースキャナを紹介します。

  • RIEGL LMS-Z420i

     800m程度の有効距離があり、毎秒数千点を測定する高速レーザースキャナ。制御ソフトウェア(RiSCAN PRO)は、反射シート自動抽出、自動詳細測定、座標の自動マッチングなど多機能ですが、使いこなすには時間がかかります。
     比較できる機器としてOptech ILRIS-3Dがありますが、使用経験はありません。
  • RIEGL LMS-Z210

     現在のZ210iの先行型です。数理設計研究所がこれを入手したのは1998年でした。有効距離が350mほどで短いのですが、安定していて、中距離測定や連続測定で活躍しています。
     
  • RIEGL LPM-2K

     測定速度は1〜2点/秒と遅いのですが、有効距離2500mという類のない性能があり、1kmを超える対象に活躍します。
     
  • RIEGL LD90レーザー距離計+ALTAZ経緯台

     Z210が発売される以前、数理設計研究所が独自に開発、製作した経緯台に、RIEGL製レーザー距離計を載せたものです。今はほとんど使いませんが、特殊な目的には改造自在です。
 上記の内、LMS-Z420iは、(有)和泉測量が所有、運用します。
 購入当時、LMS-Z210、LPM-2Kを選んだのは、他に候補がなかったためです。地形を測るためには最低200〜300mの有効距離が必要であり、有効距離が延びれば延びるほど、活躍できるフィールドは飛躍的に広がります。
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RIEGL LMS-Z420i

測量経験者が経験を積めば、一般的な地形測定が容易にできる、数少ないレーザースキャナ。
 
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RIEGL LPM-2K
2000mを超える有効距離は、中国、フィリピンでも活躍しました。
レイテ島地すべり測定記
共同研究者「大永ドリーム株式会社」のシールが貼ってあります。

4.お勧め

 もしこれを読む方が一般の地形を測定する目的でレーザースキャナの購入を検討するなら、高価でも有効距離の長いものを選んでください。他の性能がどれほど良くとも、レーザー光が届かないのでは話になりません。有効距離が800m以上あれば、国内の多くの地形が測定可能です。

以上