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1TBのSATA HDDをPPCで使う

数理設計研究所 菅正信
2009/07/17


目的

 PPCに1TBのハードディスクを付けて使おう!用途は社内サーバ。今使っているPCサーバの代わりに低電力で発熱の少ないPPCを使い、環境に優しいサーバを立ち上げようというのである。PPCのカーネルは、理論上は4TBまでのHDDが使えることになっているが、果たして・・・

 ところで、PPCにはIDEインターフェイスはあるがSATAインターフェイスがない。現在、IDEのHDDの生産終了を宣言したメーカが多く、主流はSATA HDDである。1TBのIDE HDDなど探しても見つからず、それより少し容量が低い750GBのIDE HDDは4万円もするものばかり。さらに容量を下げて500GB HDDになれば8千円前後で売っているが、それでは容量が低すぎてつまらない。さてどうしよう・・・しかし有り難いことに、世の中にはSATA-IDE変換アダプタというものが数多く出回っている。ということで、SATA-IDE変換アダプタを使うことにした。

 SATA-IDE変換アダプタを使う上で、注意しなければならないことがある。それは、ホスト側 IDE・ハードディスク側 SATAのタイプと、その逆に、ホスト側 SATA・ハードディスク側 IDEのタイプがあるということだ。今回は、ホスト側 IDE・ハードディスク側 SATAのタイプを使う。

使用した機材

 ハードディスクは以下のものを用意した。容量1TBで、発熱を抑えるために低回転タイプを選んだ。
  • ハードディスク
    • 型番 : WD10EADS-00M2B0
    • メーカ : Western Digital
    • 容量 : 1TB
    • インターフェイス : SATA 3Gb/s
    • 回転数 : 5600rpm
    • 製品URL : http://www.wdc.com/jp/products/products.asp?DriveID=559
 SATA-IDE変換アダプタは以下のものを使った。最初、その1を使ったがうまくいかず、その2を使ってもだめで、最後にその3を使ってようやくうまくいった。なお、うまく接続できなかった製品は、今回の条件ではだめだったというだけであり、製品そのものに問題があるということではない。
  • SATA-IDE変換アダプタ(その1) → 接続失敗
    • 型番 : CB-IDEBSATA-01
    • メーカ : クレバリー
    • SATA信号ケーブル同梱。SATA電源ケーブル無し
    • IDE側は40pinメスコネクタになっており、ホスト機器のIDEコネクタに直接挿す
    • 製品URL : http://www.clevery.co.jp/eshop/g/g4571239960558/?utm_source=recomend&utm_medium=4571239960558
    • 変換アダプタのチップ : SPIF223A(SunplusIT)
      • SPIF223A製品情報 : http://w3.sunplusit.com/english/products/storage/SPIF223A.aspx
      • クレバリーのWebサイトには「Jmicron社のJMB 2003 A」と書いてあったが、実際に載っていたのはSPIF223Aだった。単なる間違いか、ロットの違いか?
    • 別途必要なもの : SATA電源ケーブル
      • SATA電源ケーブルの例 : TK-PWSATA(サンワサプライ)
  • SATA-IDE変換アダプタ(その2) → 接続失敗
    • 型番 : TK-AD40SATAH
    • メーカ : サンワサプライ
    • SATA信号ケーブル・電源ケーブルともに同梱
    • IDE側は40pinメスコネクタになっており、ホスト機器のIDEコネクタに直接挿すようになっている
    • 製品URL : http://direct.sanwa.co.jp/ItemPage/TK%252DAD40SATAH
    • 変換アダプタのチップ : JM20330(Jmicron)
      • JM20330製品情報 : http://www.jmicron.com/JM20330.html
    • 別途必要なもの : 無し
  • SATA-IDE変換アダプタ(その3) → 接続成功
    • 型番 : SATAD-IDE
    • メーカ : 玄人志向
    • SATA側は、信号・電源ともに、HDDのSATAコネクタに直接挿すようになっている(ケーブル不要)
    • IDE側は40pinオスコネクタになっており、そのままではホスト機器のIDEコネクタに挿せない。別途フラットケーブルが必要
    • 製品URL : http://kuroutoshikou.com/modules/display/?iid=181
    • 変換アダプタのチップ : 88SA8040(Marvel)
    • 別途必要なもの : IDE40芯フラットケーブル
      • IDE40芯フラットケーブルの例 : TK-PW721(サンワサプライ)
 PPCは以下のものを使用。
  • 基板 : OpenIAPr Rev.1.0
  • カーネルバージョン : 2.4.17_mvl21-OpenIAPr #655
 ハードディスクにファイルシステムを書くのに使ったホストPCは以下のものを使用。
  • マザーボード : P3B-F (ASUS)
  • CPU : Pentium III 700MHz
  • OS : Red Hat Linux 7.0 2.4.18-3
  • RAM : 256MB
  • IDE I/F有り。SATA I/F無し

PPCに1TBのハードディスクをつなぐ

 1TBハードディスクが入手でき、SATA-IDE変換アダプタ(その1)も手に入ったので、早速PPCに1TB HDDをつないでみよう、ということで作業を始めた。まず最初に、入手したハードディスクにLinuxのファイルシステムを書いてやる必要があったので、開発ホストPCのIDE I/Fと1TBハードディスクのSATA I/Fを、SATA-IDE変換アダプタ(その1)を介してつなぎ、ホストPCを起動した。が、1TBハードディスクがホストPCに認識されない!BIOSレベルで既に認識されてない状態である。ためしに、PPCにもつないでみたが、やはり認識されない。以下のことを試したが、このハードディスクと変換アダプタの組み合わせでは、結局、開発ホストPCにもPPCにも1TBハードディスクが認識されなかった。
  • ケーブル挿し直し
  • ケーブルを別のものに変える
  • ホストPCのプライマリIDEにつなぐ
  • ホストPCのセカンダリIDEにつなぐ
  • ハードディスクのジャンパを設定して、3Gb/sから1.5Gb/sに変更
 変換アダプタの相性の可能性があると考え、SATA-IDE変換アダプタ(その2)を購入したが、結局、その1と全く同じ状況で、BIOSにすら認識されなかった。あぁ、だめか・・・次はどうするか。選択肢として次の4つを考えた。
  1. 変換アダプタを別のものにする
  2. ハードディスクを、SATAかつ1TBで別のものにする
  3. ハードディスクを、SATAで容量が小さいものにする
  4. SATAは諦めて、容量は小さいがIDE HDDを使う
 できればPPCでSATA HDDを使いたい、と考えていたし、せっかく買った1TB HDDをお蔵入りさせるのももったいないと思ったので、選択肢1を採用することにした。では、別のSATA-HDD変換アダプタとして何を選べばいいか・・・とWebで調べていたところ、P3B-Fのマザーボードで同じことをしようとしている方がいた。
  • 「440BXはXPに対応しているでしょうか?」 (BIGLOBEなんでも相談室)
    • http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa3750097.html
 そこに、玄人志向のSATA-IDE変換ボード「SATAD-IDE」が書いてあったので、最後の望みをかけてその製品を購入して試したところ、見事、開発ホストPCにもPPCにも1TB SATA HDDが認識された。そして、開発ホストPCでハードディスクにファイルシステムを構築し(1TBもあると、フォーマットにえらい時間がかかったが・・・)、それをPPCにつないだところ、ハードディスクが認識されて、ファイルシステムのマウントもうまくいった。ちなみに、ハードディスクは1.5Gb/sの設定(ジャンパの5-6pinをショート)にした。おそらく3Gb/sの設定でも大丈夫だろうが未確認である。

 このときの信号線および電源線の接続方法を以下に示す。赤字で書いてある部分が、玄人志向のSATA-IDE変換ボードの部分である。
  • PPCのIDE信号コネクタ ⇔ IDE用40芯フラットケーブル ⇔ SATAD-IDEのIDEコネクタ ⇔ SATAD-IDEのSATA信号コネクタ ⇔ 1TB SATA HDDの信号コネクタ
  • PPCの4pin電源コネクタ ⇔ SATAD-IDEの4pin電源コネクタ(黄・黒・黒・赤) ⇔ SATAD-IDEのSATA電源コネクタ ⇔ 1TB SATA HDDの電源コネクタ
 整理すると、PPCで1TB SATA HDDを使うには、PPCのほかに以下の資材を入手すればよい。
  • 1TB SATA HDD  ※SATA転送速度は3Gb/sでも1.5Gb/sでもよい
  • SATAD-IDE(玄人志向)
  • IDE用40芯フラットケーブル

動作結果

 さて、PPCに1TB SATA HDDをつないでシステム起動したところ、以下のログのようになった。ログの62行目で 「hda: WDC WD10EADS-00M2B0, ATA DISK drive」 とあり、そこでハードディスクがhdaとして認識されたことを表している。
 システム起動後、まずハードディスクを1TB認識できているか見てみた。以下のように、dfコマンドで調べたところ、概ね1TB認識されているようだ。
root@Open-IAPr:~# df -h
Filesystem      Size Used Avail Use% Mounted on
/dev/ide/host0/bus0/target0/lun0/part1
           917G 1.1G 869G  1%  /
 次に、hdparmコマンドで、ハードディスクの転送速度を調べてみた(下記)。約2MB/secと、相変わらず低速だ。でも、低速で問題があるのは運用に支障が出るから問題なのであって、低速イコール直ちにNGではない。今回は、割と少人数で使うサーバを立ち上げるのが目的であり、低速でも支障はないから問題ない。
root@Open-IAPr:~# hdparm -t /dev/hda1
/dev/hda1:
Timing buffered disk reads: 64 MB in 27.40 seconds = 2.34 MB/sec

..end